札幌MF小野伸二「仲良しが強みでもあるし、弱みでもある」現役ラストインタビュー後編
最後の「一問一答」
12月3日に札幌ドームで行われた浦和戦で26年間に及ぶプロ生活にピリオドを打った北海道コンサドーレ札幌MF小野伸二(44)。道新スポーツでは年末特別企画として、その余韻冷めやらぬ5日に行った小野へのインタビューを未公開部分も含めてお届けする。後編では札幌で過ごした日々の思い出、そしてこれから始まるサッカー人生の次章についても語った。
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子供が劇団四季に入って、あれが一番長くいる要因だった
―さっぽろテレビ塔での加入会見の時のことは今でも覚えているか
「覚えてなくはないけど、もう9年ぐらい前ですよね」
―その時には9年もいると思っていたか
「いや、全然思わなかったです。最初は2年半で終わるつもりで、そこでまたいろいろな違うところに行こうかなぐらいで考えていたので。タイミング的に子供が(札幌の)劇団四季に入って、あれが一番長くいる要因だったんじゃないかと思います」
―お子さんがきっかけをつくってくれた
「そうですね。やっぱりそういうものは自然じゃない、当たり前じゃないことだと思いますし、何かしらいた方が良いということを呼び寄せてくれたんじゃないかなって思います」
―札幌の在籍期間中で忘れられない出来事は?
「やっぱり(16年の)J2からJ1に上がるという、そういう時間を一緒に過ごせたのはうれしかったですし、J1にずっといられている状況の中で練習ができるのはやっぱりうれしいですね」
16年のアウェー千葉戦は今でも印象的
―印象に残っている試合は?
「(16年のアウェー)千葉戦、あれですよね。J2の時にフクアリで劇的勝利した。あの勝利がなかったら今のJ1はたぶんなかったと思いますし、(河合)竜二さんから内村(圭宏)が決めたゴールなんかはやっぱり今でも印象的に思っています」
―FW内村の劇的なゴールが決まった瞬間の気持ちは?
「うれしかったですよね。『J1だ! J1に行けるぞ!』って気持ちになって。やっぱりJ1にいなきゃいけないチームだって、北海道に(J1チームが)あってほしいなって思っていたので、その念願がかなったのはすごくうれしかったですね」
―自身が札幌へ来てから若手選手たちが成長したと感じることは
「成長しているかどうかはちょっと分からないけど、僕も来て、イナ(稲本潤一)が来てとか、高いレベルを経験した選手が来たのは良い刺激になっていたんじゃないかなと思いますね」
札幌にも月2とか3ぐらいの頻度で来ると思う
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―今後の拠点はどこに置くのか
「基本的には東京ですね。でも、札幌にも月2とか3ぐらいの頻度で来ると思いますし、そういう時はまた選手たちと一緒に練習させてもらいながら過ごしていきたいですね」
―家族サービスも今まで以上にできそう
「もうずっと離れて暮らしているので、ゆっくりできる時間はあるんじゃないかなって思うし、何より(飼い犬の)ワンちゃんがいるので。皆で散歩に行ったりとかしたいなと思います」
―北海道の生活はどうだったか
「正直、冬の寒い、雪のシーズンにいないじゃないですか。だからそういった意味では『最高です』って言って良いか分からないけど、それでも長年いさせてもらえて、こんなに居心地が良いところはないんじゃないかなっていうぐらい好きですね」
全国各地に行ってサッカーの楽しさを伝えたい
―今後、北海道で子供たちの指導に携わろうという考えは
「子供たちにサッカーを教えることはこれからやっていこうと思っています。それは北海道だけじゃなく、要請をもらえれば全国各地に行って、楽しさを伝えに行こうと思っています」
―札幌には来年以降どういった形で携わっていくか
「チームが良くなるために何か自分ができることを協力していくことは変わらずやっていきたいなと思っています。トップチームだけじゃなくてアカデミーも含めて何かしら力になれたらいいなと思って、携わっていこうとは思っています」
クラブ自体が温かい 他のクラブは絶対こうじゃない
―小野にとって札幌というクラブのどの辺りがすばらしいと感じているか
「クラブ自体が皆温かいというか。トップから含めて選手もそうですけど、このクラブって皆仲良しじゃないですか。他のクラブは絶対こうじゃないと思うので、そういったところが強みでもあるし、強いて言えばそれが弱みになっている部分もあるので、そういう仲の良さが来シーズン以降、良い方向に行くように、皆でまた課題を克服しながらやっていけたら良いんじゃないかなと思っています」
―少年時代をサッカー人生の第1章、プロを第2章とすると、これからは第3章
「まずは自分が何をするべきかを見つけなければいけないと思いますし、何が一番、自分にとって向いているのかもそうですし。子供たちと触れ合いながらいろんなことを感じて、いろんなことにチャレンジして、そういうものを見つけたいなと思っています」
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