ソフトバンクの道産子左腕・木村大成投手らが技術指導 エスコンFでNPB&高野連交流事業「夢の向こうに」
道内81校から約1000人が参加
日本野球機構(NPB)とプロ野球選手会、日本高野連が主催するプロ野球現役選手によるシンポジウム「夢の向こうに」が12月16日、北広島市内のエスコンフィールド北海道で開催された。北海道では10年ぶり4度目の開催で、フィールドを使った本格的指導は道内初。実技指導では北海高出身でソフトバンクの木村大成投手(20)ら道産子プロ6人含む16選手と元日本ハムの斎藤佑樹さん(35)らOB6人のコーディネーターによる指導を行い、道内81校から約1000人が参加した。
北広島市出身の2年目左腕
実家からエスコンFまで徒歩10分。北広島市出身の木村投手が思わぬ形でエスコンに〝凱旋〟した。高校生当時はまだ工事中だった日本ハムの新本拠地。プロ2年目を終えた150キロ左腕は初めて足を踏み入れた。「大きさにびっくりしたのと、施設やロッカールームが広かった。ここでプレーしたい思いが強くなりました。来年はここで1軍で投げられるように頑張っていきます」と力を込めた。
中日・斎藤、ヤクルト・山本らと高校生の質問に答える
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午前中は、中日・斎藤綱記投手(26、北照高出)らとブルペンで熱心に高校生を指導。午後からは1階コンコースで斎藤投手、ヤクルト・山本大貴投手(28、北星大付高出)の道産子投手とともに、高校生からの質問コーナーに参加。北海道大谷室蘭の馬場雄飛投手(2年)から「投手はキャッチボールが大事だと思うんですけど、特に大事にしていることは?」との質問に、木村投手は「僕は毎日、ちょっとフォームが変わってしまうので、キャッチボールで確かめて納得いくまで投げてからブルペンに入るようにしてる。まずキャッチボールでその日のベストを出せるようにすること」と、心がけているルーティンを明かした。
「エスコンフィールドで1軍で投げられるように頑張ります」
質問コーナーの最後には現役高校生にエール。「今日は、高校球児の皆さんにしっかり指導できた部分と皆さんから学ぶことがすごく多かったので、非常に有意義な時間でした。オフシーズンは雪が降ったりして、ボールがあまり使えない時期に周りとどういう差をつけるのかが一番大事。しっかり練習して、皆さん甲子園目指して頑張ってください。僕もこの地元の北広島のエスコンフィールドで1軍で投げられるように頑張ります。皆さん一緒に頑張りましょう」と締めくくり、高校生から大きな拍手が送られた。
「学ぶことが多かったし、いろいろな刺激を受けた」
北海高時代には1年秋から圧倒的な投球でエースに君臨し、最終学年は春夏連続甲子園に出場。ドラフト3位でプロ入りしたが、ケガもあり1軍昇格はまだ果たせていない。「すごい高校球児から学ぶことが多かったですし、いろいろな刺激を受けました。これから僕たちもしっかり活躍できるように頑張ろうという決意ができました」。故郷の空気を吸って英気を養った。来季こそエスコンFのマウンドに日本ハムの強敵となって凱旋してくるはずだ。
【道産子参加者一言】
■広島・斉藤優汰投手(19、苫小牧中央高出)
「こういう経験は滅多に出来ないので、すごい楽しかったですし、高校生に指導して改めて自分の為になった」
■ヤクルト・山本大貴投手(28、北星大付高出)
「僕が高校生の頃はこういう経験がなかったので、高校生の皆さんがうらやましいなと。僕自身も教えていて勉強になりましたし、高校生1人1人のまなざしが、すごく真っ直ぐで話を聞いてくれていた印象でした」
■中日・斎藤綱記投手(26、北照高出)
「教えることの難しさと、自分が考えている事を言葉にすることを、普段からもっとやろうかなと思った。楽しかった」
■広島・持丸泰輝捕手(22、旭川大高出)
「自分が思ったことを口にしたり、表現する難しさを感じました。高校生と交流できる機会を設けて頂いてすごくいい経験になりました」
■西武・若林楽人外野手(25、駒大苫小牧高出)
「教えるのが難しかったので、もう少し教えることがうまくなりたいと思いました」
■元ヤクルト・佐藤真一さん(58、東海大四高出)
「きょうはバッティングを見たんですけど、思った以上に質問を投げかけてくれて、応えるのも大変だった。自分の勉強にもなった」
■元ソフトバンク・本間満さん(51、駒大岩見沢高出)
「素直な子が非常に多くて、本当に楽しい時間になりました」