河合竜二氏が選ぶ2023年ベストゴールTOP5《河合CRC竜の眼》
年末特別企画
このコラムも今年最後の回となった。今回は昨年に続いての年末特別企画として、私が選んだ今季の北海道コンサドーレ札幌のベストゴールとベストゲームを2回に分けて前後編で紹介する。
ベストゴール TOP5
第5位:6月3日アウェー柏戦(三協F柏、5〇4)後半アディショナルタイム3分、DF田中駿汰の劇的決勝ゴール
アディショナルタイムに入った直後に一度は柏に同点に追い付かれたが、諦めることなく最後の最後まで多くの選手が連動し続けたことによって生まれた劇的ゴールだった。きっかけをつくったMF宮澤のフリーランは素晴らしかったし、あの崩し方がもっとできるようになってくれば、チームとしてより多くのゴールを決めることができるようになるだろう。
第4位:5月6日ホームFC東京戦(札幌ドーム、5〇1)前半28分、FW菅大輝の〝菅キャノン〟
菅の左足から放たれた地を這うようなミドルシュート。あのシュートは菅ならではの弾道と言えるし、FW小柏からのマイナスのクロスをダイレクトで叩き込んだが、あれをダイレクトで撃てるのはたぶん菅ぐらいなのではないだろうか。まさに代名詞である〝菅キャノン〟と呼べるような豪快なゴラッソだった。
第3位:3月4日アウェー新潟戦(デンカS、2△2)後半34分、MF浅野雄也の札幌移籍後初ゴール
期待の新戦力の記念すべき移籍後初ゴール。左足の精度に高いものがあると感じさせてくれたシーンだった。周囲の選手との良い連係からMF荒野とのワンツーでゴールネットを揺らしたが、ボールを受けてターンした時点で既にワンツーの発想があったことが、このゴールの決め手だったと思っている。最終的に浅野は今季12得点を挙げてチーム得点王となったが、それだけの成績を挙げられたのも、このゴールがあったからこそではないだろうか。
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第2位:8月26日アウェー川崎戦(等々力、2△2)前半27分、MFスパチョークのダイレクトボレー
DF福森のFKが壁に当たって目の前に転がってきたボールを右足でしっかりと捉えてゴールに突き刺した。あの浮き球をダイレクトで撃てるというスパチョークの技術の高さを感じさせてくれたシーンとなった。惜しくも選外としたが、5月13日のアウェー湘南戦で決めたリーグ戦初ゴールも素晴らしいゴールだったし、今季はスパチョークがけっこう派手なゴールを決めてくれたな、という印象が残っている。
第1位:11月25日アウェーFC東京戦(味スタ、3〇1)後半アディショナルタイム4分、FW大森真吾のプロ初ゴールとなったスーパーロングシュート
シーズン最終盤に生まれたルーキー大森のプロ初ゴールを第1位にさせてもらった。ハーフウェーライン付近からだったが、大森がしっかりと相手GKが前に出てきているのを見ていたからこそ生まれたゴールであり、ストライカーとしての嗅覚の鋭さを感じさせてくれた。本当に良いゴールだったし、まさにスーパーゴールと言っても過言ではないだろう。このゴールをきっかけにして、来季はさらなる飛躍を遂げてほしいと期待している。
来季はより多くのゴールを
今季はリーグでも3番目となる総得点56をマークした。だが、前半戦17試合で38得点を挙げながら、後半戦ではわずか18得点にとどまった。後半戦のゴール数が伸びなかったというところで、攻撃を売りにしているチームとしては物足りなさが残った。来季はバイタルエリアでの崩しやミドルシュートといった場面をさらに増やして、より多くのゴールを求める姿勢を見せてほしい。