河合竜二氏が選ぶ2023年ベストゲームTOP3《河合CRC竜の眼》
年末特別企画
特別企画前編のベストゴールに続き、後編は私が選出した今季のベストゲームTOP3を紹介させていただく。
ベストゲーム TOP3
第3位:5月6日ホームFC東京戦(札幌ドーム、5〇1)
これまでFC東京とはあまり相性が良くないと感じていたが、そんな懸念を吹き飛ばすような快勝劇だった。その口火を切った前半8分のMF浅野のゴールは、何と言ってもFW小柏からのパスを受けた際のファーストタッチが見事だった。その直前の場面ではトランジション(攻守の切り替え)も速かったし、しっかりと相手選手を囲い込んでショートカウンターに持ち込めた。
この試合ではFW菅、MF金子の両ウイングバック(WB)がそれぞれ2得点を挙げる活躍を見せたことからも分かるように、ピッチの幅を広く使えていたし、両ワイドを使いながら2点目につながるDF田中駿から小柏への縦パスも入るなど、2人、3人と絡むプレーもできていた。非常に札幌の良さが出た試合だったのではないだろうか。
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
第2位:6月3日アウェー柏戦(三協F柏、5〇4)
ホームで勝利を狙う柏に土壇場で同点に追い付かれ、流れ的には逆転されてもおかしくない状況での劇的勝利を飾った一戦。後半の戦い方にはやや課題が残ったが、それ以上に前半は攻守で相手を圧倒できた素晴らしい展開だったと思っている。
前半は、相手の4枚の守備ブロックに対して、DFラインの間でタイミング良くパスを受けることができていたし、ラインの裏も狙えていた。バイタルエリアのところでアイディア溢れるチャレンジングなラストパスを出せていたし、そこで引っ掛かっても攻守の切り替えが速かったので、クリアボールを拾ってからの二次攻撃や三次攻撃も繰り出し、相手に全く隙を見せなかった。あのサッカーを90分間できるようになれば、上位争いにもっと食い込めると強く感じさせてくれた一戦となった。
第1位:3月12日ホーム横浜M戦(札幌ドーム、2〇0)
試合を通して攻守で圧倒し、昨年のチャンピオンチームにほぼ何もさせなかったこの試合を今季のベストゲームに挙げたい。ハイプレスが一番決まった試合だと感じているし、守備の強度が非常に高かった。横浜Mは戦術的にあまりロングボールを蹴ってこないこともあって札幌のやり方がうまくはまったし、蹴られたところでパスコースを限定できているので、DF岡村が全てはね返してくれた。
今季22得点を挙げて得点王となったFWアンデルソン・ロペスらを擁する強力攻撃陣をシュート5本、しかも前半シュート本数0に抑えたというあたり、今季の守備では一番良い出来だったし、選手にとっても自信になった試合だったと思う。本当に素晴らしい試合だった。
来季こそはクラブが掲げる目標を
以上、ベストゲームTOP3を挙げさせてもらったが、いずれも前半戦の試合となってしまったことからも分かるように、シーズンを通して夏場以降の失速が響いてしまい、それが上位争いに食い込めなかった要因となってしまった。今季の反省をしっかりと踏まえ、来季こそはクラブが掲げる目標を達成できる戦いぶりを見せてもらいたい。
一年間ありがとうございました
今年も一年間、「竜の眼」を読んでいただき、ありがとうございます。来年も皆様に楽しんでいただけるコラムをお届けしていきたいと思っていますので、コンサドーレ共々、引き続き応援していただければ幸いです。皆様どうぞ良いお年をお過ごしください。