19年夏の甲子園に出場した元旭大高エース・能登嵩都がイースタン新規参入チームからNPB入り目指す
大学卒業後にオイシックス新潟アルビレックスBCへ入団
来季、NPBのイースタン・リーグに新規参入するオイシックス新潟アルビレックスBCに2019年に旭川大高(現・旭川志峯)のエースとして甲子園に出場した能登嵩都投手(桐蔭横浜大4年)が入団する。同大3年時に緊張性頭痛を患うなど、思い描いていた4年間ではなかったが、来年のドラフト会議でNPB12球団入りを目指す。
最速147キロ右腕に成長
チームのイースタン参入は、入団が内定した約1カ月後にニュースで知った。最速147キロに成長した右腕は「びっくりしたけど、独立(リーグ)に行くっていう覚悟を決めたのもプロという目標があったから。ラッキーだけどチャンスは広がったのかな。目標に一番近づけた進路だった。目標は150キロを出すことと、勝ち星を挙げること」。2月1日のチーム合流へ、体づくりをして備える。
夏の甲子園では星稜の奥川(ヤクルト)と投げ合い
旭大高3年時の夏に出場した甲子園では、イケメンエースとして話題を呼んだ。1回戦の星稜戦(石川)ではヤクルト入りした最速158キロ右腕の奥川恭伸投手(22)と投げ合った。試合は0-1で敗れたが、能登は9K完投。「上の舞台っていうか、レベルが上がっても通用する球が投げれるっていうことが確認できたので、自分の大き自信にはなりましたね」。女房役だった持丸泰輝捕手(22)は、育成ドラフト1位で広島入り。能登は大学での飛躍を誓って、神奈川大学野球リーグ1部の強豪・桐蔭横浜大に進学した。
緊張性頭痛に苦しむも 応援してくれる祖父のために
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
大学では2年春にリーグ戦デビューを果たしたが、3年秋にストレスや疲れの蓄積による緊張性頭痛に苦しむなど、目立った成績を残せなかった。それでもプロの道を目指す原動力となったのは、大好きな祖父の喜ぶ顔を見るためだ。「自分が高校1、2年生の時に脳梗塞で倒れて麻痺が残っている。歩けたり、だいぶ回復したんですけど」と、今でも心配は尽きない。当時は、能登の活躍を報じたスポーツ新聞などのスクラップを作って楽しみにしてくれていたという。「昔から夢見てたプロ野球っていうのも大きいけど、甲子園に行った時も施設に入っていて、その時もおじいちゃんに活躍している姿を見せてあげたいっていう気持ちもあってやっていた。元気なうちに」。ここからは一日でも早くNPB入りするための勝負の1年となる。
チーム内も実力者揃い
競争率は高い。チームには、17年にセ・リーグ最高勝率のタイトルを獲得した前広島の薮田和樹投手(31)、前巨人・三上朋也投手(34)、前阪神・小林慶祐投手(31)ら実力者が加入する。「使ってくれるところでアピールしたいなとは思うんですけど、先発で目に留めてくれる方がいいなと自分では思ってます。春までに、球速とか、球の強さにつながるような体づくりと、フォームの安定性を高めて、1年間通して高いレベルで投げられるようなフォームづくりをこの冬でしていきたい」。長い手足を生かしたフォーム固めに取り組む。
元女房役の持丸と健闘誓い合う
ドラフト会議を前にした今年9月23日にプロ志望届を提出。すると、それを知った持丸から連絡が来た。広島2軍はウエスタン・リーグのため、「交流戦があったら、対戦できるかもね」と互いに健闘を誓い合った。「1個上の沼田さん、持丸、今年は大学の同級生の古謝。身近な人がプロにたくさん行っているので、やっぱり思いは強くなりました」。今度は自らが右腕一本で新球団からの下克上を成し遂げる。