この時期になると毎年、街中はクリスマスソングであふれかえる。今年も彩り鮮やかなイルミネーションを見ては、童心に返り、どことなく幸せな気持ちにさせられる。

　選手たちにも当然、クリスマスにまつわる思い出がある。山本拓のエピソードが、これまたかわいらしい。初めてサンタクロースの存在を知ったのは５歳の頃。「お父さんから『良い子にしてたらプレゼントをもらえるんやで』って教えてもらいました」と、子どもの世界のルールを学んだという。

　大人気漫画『ＭＡＪＯＲ（メジャー）』の主人公・茂野吾郎に影響されていた山本拓少年は、サンタさんへの初めてのお願いで「吾郎の家にはブルペンがあるから僕もほしい。あればいつでもボールを投げられる」と、高難度の要求で周囲を困惑させたという。

　小学３年時には、ちょっとした事件も起きた。「その頃、ゲームをやりすぎてゲーム機を隠されていました。親が買い物している隙に家中を探していると、サンタさんに頼んでいたはずの野球盤を発見してしまった。朝起きてから、実際にプレゼントを見て『わ～い。うれしい』って大根役者みたいな演技をしたこと、今でも覚えています」。〝大人の階段〟って、急勾配で登りづらいですよね。