女子1年生軍団・日本航空北海道の初陣初勝利はならず【ウインターカップ】
■全国高校バスケットボール選手権 第1日(12月23日、東京体育館)
▽女子1回戦 下妻第一(茨城)73-69日本航空北海道
今春創部でインターハイ16強
創部1年目で全国大会に初出場した1年生軍団・日本航空北海道は69-73で同じく全国初出場の茨城・下妻第一に惜敗した。序盤から硬さが目立ち得意のインサイド攻撃がうまくはまらず、終始追いかける展開に。現地入りしてからはケガ人が多発するなどチーム状態も万全ではなく、今夏のインターハイ16強に続いての初陣初勝利には手が届かなかった。
12点差から1点差まで詰め寄るも
第4Q残り8分で点差はこの試合最大の12点。ここから怒濤(どとう)の追い上げが始まった。スタメン唯一の道産子、PG中村泉咲(1年)の3点シュートなどで点差を縮めると、残り5分に中村のゴール下からのジャンプショットで65-66とついに1点差まで迫る。だが逆転まで持ち込むことは出来ず、今大会唯一の1年生軍団による挑戦は終わった。
スタメン唯一の道産子・中村が16得点8リバウンド
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中村は得意のドライブや3点シュート2本を含む16得点8リバウンド。最多19得点22リバウンドの186センチ留学生Cファトゥマタ・カマラ(1年)に次ぐ攻撃力を発揮した。最後まで果敢にリングにアタックしたが、試合終了残り36秒で5ファウルにより退場。試合終了のブザーはベンチで聞いた。「最後まで諦めず1点差まで詰め寄れたけど、最後自分がファウルして相手にいい流れで終わらせて負けたのが悔しい」と悔し涙があふれた。
矢倉監督「中にこだわりすぎてオフェンスに失敗した」
初出場同士、チャンスは十二分にあったが、常に関東の強豪と戦っている経験の差が勝敗を分けた。開始から5点を先制。ところがカマラと180センチのPF庵原有紗(1年)の2ビッグマンによるハイポストからローポストへのホットラインが封じられた。許したスチールは11本。インサイド一辺倒の単調な攻撃で、3点シュート試投数は下妻第一の「36」に対して日本航空北海道は「10」。矢倉直親監督(61)は「自分たちのやりたいことが全然できなかった。もう少しディフェンスからブレイクを出したかったんですけど、ディフェンスが重たくなった。スピードとか一対一の強さが予想以上で、うちの大きい子たちが戸惑ったのと、中にこだわりすぎてオフェンスに失敗しましたね。もうちょっと外から、積極的に攻められれば良かった」と肩を落とした。
大会直前の調整でケガ人続出
主力がにケガ人が相次いだのも誤算だった。本州入りしてから系列校の日本航空山梨や明徳義塾、筑波大と最終調整を行ったが、そこでPG中村が左膝、SG宇都鈴々奈(1年)が足首を負傷。指揮官は「2人は昨日まで出来なかった。ぶっつけ本番に近い状態だった」。2人ともスタメンで出場したが、万全の状態とは遠かった。2日前まで松葉杖を付き、右膝にテーピングを巻き痛み止めを服用しながら試合に臨んだ中村。「痛かったです。けど、ケガを言い訳にするのは絶対に嫌だった」と、最後まで歯を食いしばって勝利を目指した。
西川「2年後に日本一になりたい思いは変わらない」
創部1年目は15人で高校2大大会の全国出場を果たした。現在、選手は通信制課程だが、来春の全日制課程開校に合わせ全日制課程へ移行する。これまで同様の練習時間の確保は難しくなる可能性もあるが、少数精鋭の下級生も入部予定で選手層に厚みが生まれ、部内競争は激しさを増す。初代主将のSG西川葵(1年)は「まだ2年間大会に出るチャンスはあるので、ここでの経験は絶対に無駄になしたくない。まずは来年、札幌山の手さんに勝って1位通過して、ウインターカップに出たいのと、夏にベスト16で終わったので、ベスト8を目指す。2年後に日本一になりたい思いは変わらない」とキッパリ。高校バスケ界の勢力図を変えるために、さらに高度を上げる。