ファイターズ
《ハム番24時》1月2日
1月2日といえば書き初めだ。一年の目標や抱負を書き、心を新たにする。道新スポーツが新聞だった10年前、新春の元日1面用に昨年ドジャースに移籍した大谷翔平の書き初め写真を撮ったことがある。
将来有望な若き二刀流は当時19歳。多少の予算をかけても、お正月らしい彩りのある紙面にしようと、紋付き袴を着てもらい「二十歳の誓い」を書き初めしてもらった。したためた言葉は「日本一」。達筆だった。その年はリーグ3位も2年後の16年にその目標を達成した。
次の年の元日1面も大谷でいくことになった。次は何のネタで写真を撮ろうかと考え、いろいろと担当記者とアイディアを出し合った。しかし、今思えば恐れ多いものばかり。白馬に乗ってもらっての撮影や、侍ジャパンにかけて頰に日の丸ペイントを入れてもらうとか。プロスポーツ史上最高額となる総額7億ドル(約1015億円)の契約を交わした〝オータニサン〟に自分たちは何をしようとしていたのかと。
王子様のような体型から白馬は似合いそうだが、けがにつながったり、もしものことが起こる恐れがあるので却下。フェースペイントはワンチャンスあるかなと、撮影当日に一式セットを持参したが、本人からは「それは大丈夫です。普通に撮ってください」と、やんわり断られた。まだ二十歳だったが、人柄は今と一緒。しっかりと自分を持っていた。
その年、色紙に書いてもらった言葉は「前人未到」。何も飾ることなく、言ったことをその通りに実現する。高校時代の目標シートに綴ったドジャースでの「ワールドシリーズ制覇」も、必ず達成してくれるだろう。