昨季のスノボHP全日本王者・山田琉聖がW杯で自身初の5位 26年冬季五輪へステップアップだ
18日開幕の第3戦で初表彰台狙う
2022-23シーズンのスノーボード全日本選手権男子ハーフパイプで優勝した山田琉聖(17、クルーズ)が、12月16日のW杯第2戦(アメリカ・コッパーマウンテン)で自己最高の5位に食い込んだ。自身今季最後となる第3戦(24年1月18日、スイス・ラークス)で初の表彰台を狙う。
種目別ランキング27位⇒9位と急上昇
昨季W杯デビューしたばかりの伸び盛りの17歳。通算4戦目となった第2戦で初の決勝進出を果たし堂々の5位。日本勢3番手に食い込み、種目別ランキングは昨季27位から一気に9位へ急上昇した。22年北京五輪金メダルの平野歩夢(25)らフルメンバーが揃った中での上位進出に「結構自分でもびっくりした。自信になりますね」。全日本選手権優勝の権利で得たW杯切符は次戦が最後。「今、自分がやれるベストのルーティーンを決めて表彰台に立ちたい」と、世界トップクラスの仲間入りを目指す。
新技キャブダブルコーク1440を果敢に挑戦
新技にも挑戦した。10人が駒を進めた決勝1本目。「最初のアプローチが結構短くて。スピードがつかないみたいな感じで、ちょっと難しいタイプだったんです」と小さなパイプで他の選手が得点を伸ばせない中、山田はスイッチマックツイストからキャブダブルコーク1080、フロント1260、マックツイスト、最後は大技のフロントダブルコーク1440を決め、72.0点をマーク。22年北京五輪金メダルの平野歩夢(25)らを抜いて日本勢最高の2位につけた。「ジャッジが辛かった。もうちょい点数が出るかなって思ってたんで、2本目、3本目でこれ以上のルーティンをして出さなきゃいけない。やるしかないっしょ」と、最終3本目には今季習得したキャブダブルコーク1440に挑戦。転倒して得点を伸ばすことはできなかったが「世界で戦うには必須」と完成度を高めていく。
「誰とも被らないルーティンやってみたい」
2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪出場を目指す。オフはホームコースのばんけいで、みっちり練習。10月にはナショナルチームの遠征に自主トレを加え、約40日間スイスやオーストリアで雪上トレを繰り返してきた。「意識してるところは独創性、誰とも被らないルーティン(構成)」と、唯一無二のオリジナルを目指している。「今回で言うと、スイッチマックツイストとマックツイストの両方入れたルーティンとかもやってる人はいない」。現在最高1440の回転数を「もう1個回転増やしてシックス(1620)をやってみたい。まだやってる人いないんで」と意欲的に取り組んでいる。
今春、新潟の専門学校に進学しA指定目指す
さらに環境も変える。今春の通信制高校を卒業後、新潟の国際スノーボード&スケートボード専門学校に進学する。2年程前、同校OGで北京五輪女子ハーフパイプ銅メダルの冨田せな(25)専属の大橋一麻トレーナーに出会いサポートを受けてきた。この夏施設を見学して進学を決意。「今はジュニア(B指定)なんですけど、来季はA指定に入って、ワールドカップにフル出場できるように」。夢の実現へ、一気に階段を駆け上がる。