【一問一答】CBOに就任する栗山英樹氏 「時間をかけて、何が必要で何が不必要かをしっかり見る」
2024年1月1日付で日本ハムのチーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)に就任する栗山英樹氏(62)が26日、エスコンフィールド北海道で決意を表明した。CBOは球団の基盤強化と、チームの編成強化を推進するために新設されたポストで、球団運営とチーム編成の重要な役割を担う。今春のWBCで日本を熱狂の渦に巻き込んだ北の名将は、来季からチームの最高責任者として辣腕(らつわん)を振るう。一問一答は以下の通り。
―新たなポストへの意気込み
「野球のために、本当にやらなければならないことがあると思う。しっかりとやっていきます」
―春にはWBCで国を背負って戦った。そのエネルギーを日本ハムに注ぐ
「何をするのか、みんなも分かってないし、俺も分かってないんだけどね。少し時間をかけながら。一言でいえば『大国を治むるは小鮮を煮るが如し』(小さな魚を煮る時にむやみにかきまわすと身が崩れてしまう。大きな国を治めるには、そっと様子を見ている必要がある。政治とはそのようなものでよいという老子の主張)。まず何かをしようとは全く思ってない。時間をかけながら、とにかく見る。自分がファイターズに関わっていた時の反省も、もう一回掘り起こして。何が必要で何が不必要かをしっかり見る。時間をかけて、どこかから動き始めます」
ー新人合同自主トレは
「全然、絡むつもりはない。先にやらないといけないことがある。簡単に言えば環境、スカウティング、育成。そこは大事な要素になってくる。そこは裏で、少しずつ考えていきます。まずはじっくり見ます、1年間」
ープロフェッサーに比べて、より編成に軸足を置くことになるか
「プロフェッサーは新人選手の教育だったので。編成も含めて全てのところ。ちょっとやりたいこともあるので。まずはしっかり見る。何も言うつもりもない。ただ動き出したら、一気にいろいろなことをやります」
ーやりたいこととは
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「WBCを含めて、野球に興味を持ってくれた多くの人がいる。多くの人が愛してくれるチームをつくるには、どうしたらいいのか?というだけなので。そこに向かってしっかりやっていきます」
ー見るのは選手や球団の施設か
「全てです。全てのポジション、人、物を含めて。何が必要で何が不必要かをまずは自分で把握する。長くいたからとか、そういうのは一切消しているつもり。ゼロから、このチームが誰からも愛してもらえるのに必要なものと、そうじゃないものを考えて、感じて、勉強させてもらいたい。そのためにまだ勉強しないといけないことがいっぱいある」
―3年後5年後、近い未来、どうチームをつくり上げるか
「今、言ったように、本当に愛される、このチームで野球がやりたい、このチームを応援したい、このチームに入れさせたい、全て含めて愛される。それは日本でということではなくて、世界に誇れるチームになれるように、みんなで一生懸命やっていきます」
―この2年、チームの戦いをどう見ていたか
「いろんなことを感じながら。ただ、それを僕が口にする必要もない。何度も言うように、その2年も含めて僕がやってきた10年、さらにもっと先も含めて。しっかりともう一度、反省し直して、歴史を学ばなければ先に進む心は分からないので。簡単にこうした方がいいよなんて言うつもりもない。まずは状況把握をしっかりやります」
―現場とのコミュニケーションは
「いずれやるけれど、今はまず環境、スカウト、育成。その順番にやっていかなければいけない」
―球団運営面でのビジョンは
「運営面はめちゃめちゃいくで」
―表に立って
「俺のことはあまり気にしなくていいから(笑)。そのうち、なんとなく気がついたら『あの人いたよね』みたいに動き出すから。それまでは裏側に引っ込んで、こっそりいろんなことをやっていきます」
―アマチュアの現場にも足を運ぶ
「もちろんです。まずは徹底的に自分が足を使うことが大事になってくると思う。一番分からないのはそこの部分。自分が経験してないとこはそこなので。 自分が体験して、感じて、自分がやってた時のことを含め、必要なものは何なのか。しっかり見つけてというところですね。動き出したら、どんどんいきます」