北海が2回戦敗退 右足首の負傷を押してフル出場のDF川合航世主将「みんなに感謝したい」【全国高校サッカー選手権】
■第102回全国高校サッカー選手権大会2回戦 北海0-3名古屋(31日、千葉・ゼットエーオリプリスタジアム)
カウンターに屈して2連勝ならず
1回戦で19大会ぶりとなる勝利を挙げた北海は初出場の名古屋(愛知)と対戦した。前半40分にカウンターを受けて先制を許すと、後半10分にも再びカウンターから失点。反撃を試みて何度も名古屋ゴールに迫るが、GKを中心とした名古屋の堅い守備の前に得点を奪えなかった。
試合終了間際のCKではGK小野寺信(3年)もゴール前に上がって得点を狙うも、相手にボールを奪われて無人のゴールに流し込まれて万事休す。16強入りを逃した。
川合主将の目に涙 「対人、球際、空中戦で勝てなかった」
「先制点を取られてしまったことが、チームとして良くなかったと思います。長所としている対人、球際、空中戦のところで相手の方が強くて、そういうところで勝てなかったのがこういう流れになってしまった原因かなと反省しています」。守備の要であるDF川合航世主将(3年)は目にうっすらと涙を浮かべながら、このチームでの最後の戦いを振り返った。
大会直前に負傷 練習試合の欠場を余儀なくされたキャプテン
川合は今大会を最後に選手生活を終える。万全の態勢で自身3度目の選手権を迎えたいところだったが、道内での最後の練習で右足首を捻挫。静岡で行われた大会前最後の練習試合2試合を欠場することとなった。
アクシデントで一致団結 頼れる主将は強行出場
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「自分抜きでの練習、練習試合だったんですけど、みんながリーダーになろうとミーティングや練習で意識してくれて。自分が欠けていた分、みんなが頑張ってくれて、いい準備ができたかなと思います」。大黒柱のピンチにチームは一致団結し、リバウンドメンタリティーを発揮した。川合も大会直前に全体練習に合流した。痛み止めを飲み、患部をテーピングで固めながら2試合にフル出場。仲間たちと共に、19大会ぶりとなる白星をつかみ取った。
全力で駆け抜けた節目のシーズン 指揮官も感無量「本当にご苦労さま」
創部100周年を迎えた今季、北海はプリンスリーグ北海道で初優勝、選手権道予選を3連覇、そして全国1勝とメモリアルイヤーにふさわしい結果を残してきた。
チームを率いる島谷制勝監督(54)はこの1年間を「キャプテン川合を中心に、主導権を取れるチームになってきたというのが大きかった。その一方で、北海道の中で井の中の蛙(かわず)で終わらないようにやっていくということを学ばせてくれた1年間でもあります。3年生たちには、僕の厳しい指導に頑張って付いてきてくれて、本当にご苦労さまって言いたい気持ちです」とねぎらった。
ラストゲームを終えた川合 チームメートに感謝
現役最後の試合を終えた川合は「チームみんなで最後までやりきれたのはすごくいいことだなって思いますし、キャプテンとして1年間やってきて、本当にみんなに助けられてきた。みんなに感謝しています」とチームメートへの感謝を口にした。
北の伝統校が再出発 後輩たちへ熱きエール
自身の挑戦は終わりを告げた。と同時に後輩たちは新たなスタートを切る。道大会4連覇を成し遂げて、この舞台へ戻ってくることを目指す。川合は後輩たちに「一緒にサッカーをやってきて、自分たちの姿を見ていると思う。今までの先輩たちが積み重ねてきた伝統や誇りを持ってプレーしていってほしいと思います」とエールを贈った。
大きな足跡を刻んだ創部100周年イヤーを経て、北の伝統校が新たな世紀へと歩みを進めていく。