札幌山の手が粘って大金星! フルセットで名門・八王子実践を撃破【春高バレー女子】
■全日本バレーボール高校選手権 第1日(1月4日、東京体育館)
▽女子1回戦 札幌山の手2-1八王子実践
10度の全国大会制覇誇る相手に大番狂わせ演じる
金星を挙げた―。札幌山の手が名門・八王子実践とのフルセットに及ぶ激闘を制し、1回戦を突破した。180センチ超えのミドルブロッカーを揃えた高いブロックと、レシーブによる粘り強い戦いで、大番狂わせを演じた。アウトサイドヒッターの黒田百花主将(3年)は「やってきたことが報われたのが一番でうれしい」と喜んだ。5日に富山第一との2回戦に臨む。
第1セット奪われてからの逆転劇
粘って、粘って、粘った。スパイクがブロックにはね返されそうが、相手にブロックを抜かれようが、心が折れることはなかった。リベロの西川倫呂(こころ、3年)を中心としたレシーブで、勝機を見出した。24-26で第1セットを落として迎えた第2セット。15-19と離されたが、そこから怒涛の9連続ポイントで流れを引き寄せた。その勢いのまま第2セットを奪うと、最終セットも25-22で競り勝った。
アウェー感もリベロ・西川がチームに勇気与える
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八王子実践は10度の全国大会制覇を誇る名門校。大応援団を携え、すでに他のコートでは試合が終了していたこともあり、会場はアウェーの雰囲気。しかし名前負けすることなく、見事に打ち破った。守備の要である西川は「とてもうれしい」とニッコリ。「相手がレベルの高いバレーをしていると思ったので、1本決まるとうれしさが前面に出てました」と、軽やかな動きで相手の攻撃をはね返し、勝利をたぐり寄せた。渡辺徹監督(59)も「バレーが大好きな子なので、どこまでも追っていく。うちの守りの要となって勇気を与えていた」と目を細めた。
黒田主将「みんなの気持ちの強さが出た」
精神面の支柱は黒田主将。劣勢であっても明るくチームを鼓舞。第2セット中盤でリードを許したときには「連続失点を切って、逆に連続得点を取るぞと思っていた。自分がプレーで引っ張って、みんなをフォローし続けようと思っていました」とコートの中心で慌てるそぶりを微塵も見せなかった。うれしい逆転勝利に「みんなの気持ちの強さが出た」と仲間たちを称えた。指揮官も主将の度量には一目置いている。「リーダーシップがありますし、真面目で努力家。あの子が失敗したとしてもみんなが責めることはないですし、他のみんなが頑張ろうっていう雰囲気を出す子です」と絶大な信頼を寄せる。
目標はベスト4
春高バレーは高校スポーツ全体の中で最終盤に行われる。他の競技でも全国大会へ出場する部活が多い札幌山の手では、「引退最後が私たちなので、見てくれて応援してくれる人がいっぱいいる。その気持ちに応えようと思ってます」と黒田主将。目標に掲げるベスト4進出へ、最高のスタートを切った。この追い風に乗らないわけにはいかない。バレーでも〝山の手旋風〟を吹かせてみせる。