旭川実業が31年ぶりベスト4進出 エース笠井季璃が2試合で66得点【春高バレー女子】
■全日本バレーボール高校選手権 第3日(1月6日、東京体育館)
▽女子3回戦 旭川実業2-1大阪国際滝井・国際
▽女子準々決勝 旭川実業2-1都市大塩尻(長野)
マーク集中するもスーパーエースが荒稼ぎ
スーパーエースが、ベスト4に導いた。旭川実業は3回戦で大阪国際滝井・国際に2-1で競り勝って8強入りを果たすと、準々決勝では昨年の高校総体準優勝校・都市大塩尻(長野)を打ち破った。高校総体として開催された1992年以来の全国4強入り、現体制となった2011年移行では初めての快挙を成し遂げた。エース・笠井季璃主将(3年)はマークが厳しくなる中でも、2試合66得点と荒稼ぎ。7日の準決勝は昨年の高校総体、国体を制した女王・下北沢成徳と対戦する。
準決勝進出を決めてコートに崩れ落ちる
勝利が決まった瞬間、笠井はうれしさのあまりコートに崩れ落ちた。1日で3回戦と準々決勝の2試合を戦う春高〝魔の3日目〟は、スタートから全開だった。大阪国際滝井・国際戦の第1セット、笠井はいきなり4連続得点をマークし、流れを引き寄せた。3セットで脅威の37得点を記録した。そして都市大塩尻戦でも6本のサービスエースを含む29得点。大黒柱として、これ以上ない働きを見せ、憧れのセンターコート切符をつかみ取った。
世界選手権で出場できなかった総体の分もぶつける
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「(2試合目は)疲れは全くなく楽しみでした。インターハイは自分がチームに残ることができなかった分、春高は全てぶつけようと思っている。このメンバーでの大会はこれで最後。最高のコンディションとメンタルづくりはしてきたつもりです」。U19世界選手権に参戦したことで高校総体はチームから抜けることとなったが、高校バレー最後の今大会に全身全霊を注いでいる。岡本祐子監督(45)も「この春高のセンターコート行こうよ、日本一獲ろうよと言っていた中で勝ち残れたのが、彼女のすごいところです。攻守ともに大黒柱。エースでキャプテン」とキッパリだ。
チームを勇気づける「笑顔」ポーズ
精神面でもチームを支えている。選手が下を向かないように、試合中は両手の人差し指を頬に持っていき、「笑顔」ポーズを絶やすことがない。ミドルブロッカーの谷川星奈(2年)が「頼もしくてかっこいい」と話すと、熊谷苺花(1年)も「言葉にできない」と続けた。さらに「季璃さんだけに打たせてしまっている」(谷川)、「自分も活躍しないとマークが厳しくなる」(熊谷)と笠井の負担を減らすためにと躍動し、相乗効果が生まれている。
次の相手は最大の壁・下北沢成徳
目標の日本一へ、次は最大の壁が立ちはだかる。相手は高校総体と国体の2冠に輝いた下北沢成徳(東京)。笠井自身も北海道選抜で参加した国体で敗れた相手だ。「国体のリベンジをするために、下北沢成徳と当たりたいと思っていたので、最高のプレーをして、下北沢成徳の壁をぶち抜きたいです」。センターコートでも、笑顔いっぱいのプレーを披露する。