冬季スポーツ
2024/01/07 19:45

愛弟子・小林陵侑のジャンプ週間Vに刺激 レジェンド葛西紀明が札幌で4季ぶりW杯へ意欲

選考会予備飛躍を終え、報道陣に挨拶をする葛西(撮影・西川薫)

W杯個人569試合出場はギネス記録

 ノルディックスキー・ジャンプ男子の葛西紀明(51、土屋ホーム)が、2月17、18日のW杯札幌大会(大倉山ジャンプ競技場、HS137メートル)で、自身の持つ個人の出場最多569試合というギネス記録の更新を狙う。1月7日は同競技場でコンチネンタル杯国内3試合(同20日1戦、21日2戦)の選考会予備飛躍が行われた。選考会からの出場枠は「5」。葛西は降りしきる雪の影響で2本目はキャンセルとなったが、1本目に116.5メートルを飛んで18人中5位につけた。翌8日のHBC杯と直後に行われる選考会の結果で出場権が決まるが、天候悪化による中止の場合はこの日の予備飛躍の結果で選考される予定だ。

陵侑の快挙でCS番組の出演は深夜3時までに

 睡眠不足もなんの! レジェンドがW杯返り咲きへ第1ハードルをクリアした。前夜は昨季までチームメートだった小林陵侑(27、チームROY)が欧州伝統のジャンプ週間最終戦で史上6人目の総合優勝を達成。葛西はCS放送の番組にリモートでゲスト出演し、終了は午前3時ころだった。予備飛躍の前に行われたHBC杯の公式トレーニングは、その6時間後の午前9時に開始。葛西は選考会と合わせて2本を飛んだ。「寝ましたよ、3時間。いつもより2時間寝てないぐらい。ショートスリーパーなんで大丈夫です。(小林は)全部2位ですからね。珍しいですね。あれもなかなかできない〝グランドスラム〟。世界のトップに今いるので、まあいい目標になりますね」と、かつての教え子の快挙に不敵な笑みを浮かべた。

1月6日、ジャンプ週間総合王者に与えられる゛黄金のワシ゛のトロフィーを手に大勢の観客の前で喜ぶ小林

 

「ここ10年で一番飛んでいる」

 競技歴は今年で42年。膨大な経験と厳しいトレーニングを積み重ね、今も現役を続ける。夏場のスロベニア合宿では若手よりも先にジャンプ台へ上がり、練習を重ねた。「ここ10年の中では一番飛んでるんじゃないでしょうかね。新しいコーチのアドバイスもすごく良くなってきてて、自分に少しずつ合ってきている。いろいろ(やり方を)変えたりして、それが少しずつできるようになったり、できなかったりが見え隠れしてる。こういう時、本数を飛ばないと自分のジャンプが固まってこない。これが固まって、良いジャンプになれば、また試技を飛ばないとか、練習を飛ばないとかっていう調整はできるんですけど、今はもう少し飛ばないと自分の良いジャンプがつくれない」と、試行錯誤を繰り返した。

昨年10月、12月の大会はW杯組がいる中で連続4位

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