W杯開幕戦勝利の伊藤有希が通算9勝目に挑む 13日からジャンプ女子W杯札幌大会
1月13日、14日にノルディックスキー・ジャンプ女子W杯札幌大会が大倉山ジャンプ競技場(HS137メートル)で行われる。23年12月2日の開幕戦で今季初勝利を挙げた下川町出身の伊藤有希(29、土屋ホーム)が、大倉山でのW杯初勝利を狙う。
今季8戦で2桁順位は1度のみ
2017年の札幌大会で初勝利を挙げたが、当時はノーマルヒルの宮の森。今度は大倉山の空に初優勝の飛行曲線を描く。今季はキャリアで初めて開幕戦を制し、8戦を戦い2桁順位は1度のみ。種目別ランキングで日本勢最上位の3位につけている。「今シーズンは開幕にぶつけるつもりで夏から練習をしてきて、予選のジャンプ前日ギリギリまで最後のかみ合わせがうまくいってなかったけれども、試合ではなんとか噛み合わせることができて勝てたことは良かったと思ってます。けど、その一発だけだったので、それがもうちょっと高いレベルで維持できればもう少し成績がついてきてくれるんじゃないかな」と、さらなる高みを目指す。
「日本にいる限りは出させてもらいます」
W杯海外遠征から6日に帰国。時差ぼけは「大丈夫」と、8日のHBC杯に強行エントリー。「土屋ホームの名前が出るんだったら、日本にいる限りは、ある試合は出させてもらいます」。降雪やシステムトラブルの影響もあり、約4時間遅れの13時頃に試技はスタートしたが荒天のために中止が決定した。「怪我なく終われて良かったです。ちょっと転んでしまった選手もいますけど、誰も怪我なく終われたことはすごく良かった。怖かったです。助走路は滑ったり詰まったりで、あんまり安定しない感じはあったけど、下の方が…」。後に飛ぶ予定だった男子選手へ「下が詰まるって伝えておいて」と、常に周囲を気遣う優しさが後輩から慕われる理由の1つだ。
20代ラスト「自分の伸びしろに期待ができるうちは」
20代ラストイヤー、もう一段ギヤをあげる。「レジェンド(葛西紀明)がいらっしゃるので、年のことは言えないですけど(笑)。私の場合、新しいことの習得も遅いですし、調子が上がるまでに時間がかかるんです。年がいってから波に乗れる可能性もあるので、自分の伸びしろに期待ができるうちは、そこに期待しながら伸ばしていければ」。地元で今季2勝目を挙げ、後半戦へ弾みをつける。