札幌の開幕戦はあまり良いイメージがない

　今季の開幕戦は福岡とのアウェー戦だ。札幌の開幕戦の印象はあまり良いイメージがない。昨季も広島とのアウェー戦で何もできずに終わった。０－０のドローだったことだけが救いだった。古巣対決となったＭＦ浅野雄也、１トップに入ったＦＷ金健熙が沈黙したのを覚えている。

可変式サッカーはチームが出来上がるのに時間がかかる

　今季の札幌はＦＷ小柏剛、ＤＦ田中駿汰、ＭＦルーカス・フェルナンデス、ＤＦ福森晃斗らの主力が移籍し、だいぶ顔ぶれが変わる。ただでさえ難しい、流動的で可変式サッカーを実践している札幌はチームが出来上がるのに時間がかかる。顔ぶれが変わる今季は、よりスロースターターになると懸念している。開幕戦の相手の福岡は堅守、組織力が売りのチーム。昨季ルヴァン杯を獲って自信をつけ、堅守に磨きがかかっていることだろう。堅守の福岡に対して札幌がどこまで創造性を出せるかがポイントだが、私は苦戦すると思っている。

田中駿、ルーカスの抜けた右サイドは心配

　一番の心配は、やはり右サイドだ。揃ってＣ大阪に引き抜かれた田中駿とルーカスの穴はでかい。新戦力のＤＦ家泉怜依は未知数でフィットするには時間がかかると思う。右ワイドはＭＦ田中宏武、新戦力のＭＦ近藤友喜が使い物にならなかったらＭＦ駒井善成を使わざるを得ないかもしれない。浅野はやっぱりシャドーで、ウィングバックでは使いたくない。左サイドは基本、ＤＦ中村桐耶とＦＷ菅大輝がいるので何とか回せるだろう。ボランチ、ストッパーのところではＤＦ馬場晴也がフル稼働するのでは。しかしパリ五輪に馬場が招集されるようなことがあると台所事情は相当苦しくなる。

浦和には借りを返さなければならない

　だから福岡との開幕戦は負けなければいい。第３節の札幌ドームでのホームゲームも厄介な浦和が相手となる。昨季の最終戦も０－２と完封負けで小野の引退花道を飾れなかった。浦和にはその借りを返さなければならない。最終戦で浦和サポーターと一悶着あったペトロヴィッチ監督は意地でも勝ち点３を獲りたいはず。浦和戦は２か月先の話だが、現在発表されている戦力だとちょっと心配だ。