【赤黒の象徴 17年目に挑む】札幌MF宮澤裕樹インタビュー前編「やるからには高いところを」
特別インタビューの大トリは札幌が誇るバンディエラ
23年末から24年新春にかけて道新スポーツで掲載してきた北海道コンサドーレ札幌の特別インタビュー。その最後を飾るのは今季札幌一筋17年目のシーズンを迎える赤黒のバンディエラ・MF宮澤裕樹(34)だ。前編の今回は、23年の戦いを振り返り、まもなく始まる24年シーズンの目標を語ってもらった。
「思い描いた結果ではなかった」
「目標はACL(出場権獲得)であったり、上位を戦うことでしたから、そのことを考えると残留争いに巻き込まれてしまったところは、自分たちが思い描いた結果ではなかった」
前半戦好調も、夏場に失速し残留争いに
高い目標を掲げてスタートを切った23年シーズン。「チームとして噛み合っていましたし、失点もあったけど点が取れる自信もあったので、メンタル面でも良い方向に向いていました」と、前半戦は高い攻撃力が生かされ8位で折り返した。だが、チームは夏場に失速し順位を徐々に下げていく。「夏場から強度の部分が上がらなくて。きつい中で自分たちのサッカーからほど遠くなってしまったし、そこから巻き返すメンタル的な厳しさもありました」。
ピンチを救った9月2日ホームG大阪戦
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9戦勝ちなし、さらに守備の要であるDF岡村大八(26)が出場停止の苦しい状況で迎えた9月2日のホームG大阪戦。その試合でピンチを救ったのは、岡村に代わり3バックの中央で先発出場した宮澤だった。チュニジア代表FWイッサム・ジェバリ(32)らG大阪攻撃陣を4-0シャットアウト。3月12日の横浜M戦(札幌ドーム、2〇0)以来、実に半年ぶりとなるクリーンシートを達成し、10試合ぶりの勝利を手にした。
「結構タフな戦いでしたけど、うまく守れた」
影のMVPといえる活躍を見せた一戦を「うまくやれたと思います。対人の強度で足りなさがある分、予測と周囲との連係でカバーできていた。相手もジェバリ選手で結構タフな戦いでしたけど、うまく守れたし、攻撃の部分でも落ち着いて自分の役割を全うできた」と振り返る。危機的状況の中でチームの苦境を吹き飛ばすプレーを披露し、改めて存在の大きさを印象づけたゲームとなった。
「やるべきことは変わらないので、継続とレベルアップを」
今季J1は2チーム増の全20チームによるリーグ戦となる。またルヴァン杯はJ1からJ3までの全60チームによるトーナメントとなるなど、Jリーグ全体で大きな変化が起きるシーズンとなる。新シーズンに向けて、宮澤は「やるからには高いところを目指してやりたい。リーグ戦も上位で戦えればいいし、カップ戦では自分たちは結構勝ち進んでいるので、(タイトルを)取れるようにベストを尽くしたい。そのためには、普段出ている選手だけではなく、チームとして全体的なレベルアップが必要。札幌としてやるべきことは変わらないと思うので、継続とレベルアップを。シーズンを通して安定した戦いをして、安定して勝ち点を取っていくことを意識したサッカーをしていかないと」。札幌に新たな歴史の1ページを刻み込むため、背番号10は今年もチームをけん引していく。