【一問一答】自主トレ公開した宮西尚生 初めから飛ばしてそのまま走りきる覚悟で
プロ17年目に懸ける決意
日本ハム最年長の宮西尚生投手(38)が10日、兵庫県芦屋市で自主トレを公開し、あらためてプロ17年目に懸ける決意を表した。応援してくれるファンのため、3年ぶりの50試合登板と、あと7に迫った400ホールドに執着。フル稼働を自らに課し、2024年シーズンに向かう。一問一答は以下の通り。
―今年をどんな年に
「最高の年にしたいなと思いますし、それ以外ないでしょう」
―例年同様、自主トレは走るメニューが多い
「僕は基本的にランニングしかやらないんで。いろんなトレーニング方法というのがあるやろうけど、地盤が一番大事かなと。ウエートもこの後にやりますけど、やっぱり走ることは大事かな。そういうところをプロの生活もそうだし、学生時代から基盤にしていたので」
―走ることの効果は
「あいつら(後輩)にもいつも言うけど、ランニングで全部出し切ることって、やっぱり自分との戦いやから。そういう意味で重要性はあるやろうし、しんどい時がシーズンに何回かある中で、精神的なつらさも、こういう練習で乗り越えられると思っている」
―ダッシュが多かった
「昨日(9日)から合同自主トレが始まったんですけど、きょうは100メートルのタイム切り、15本やって」
―日によってメニューが変わる
「4勤で、距離は短くなっていくけど、本数は増えて、という感じですね。ずっとこういう練習メニューでやってきた」
―あす11日は
「次は50メートルを20本以上。ピッチングとかも入ってくるので、走ってピッチングして長い距離3キロから5キロくらいを1本走って」
―走る量は入団してからどう変わったか
「減ってきています。僕は年齢も重ねてきて、コンディションとの戦いもありますし。でも質は変わりましたね。量は昔の方が多かったけど質は今の方が高いです」
―トラックではなく、芝生を走っていたが
「ちょっと堅いところは足をすぐやるので。12月に追い込みすぎて一回、足を痛めたから、今は芝生の方を走っているだけ」
―12月に追い込んだ
「もちろん。12月からもう戦いは始まっているので」
―去年と比較し、調整のペースは
「ちょっと遅らせているかな。でもキャンプではしっかり第1クール初日からピッチングに入れるように、というのはあって。去年はキャンプから実戦でいつでも投げられますよ、という状態にしたんですけど、今年はキャンプでキレを出して、実戦に向かっていく、という感じでいこうかなと思っています」
―それでも以前より早く仕上げる形
「前はね、開幕にほんまに合わせるような感じやったので。2月中にも追い込んだりする意識だった。3月から上げていくイメージ。今年、去年と、投げきっていないので、そういう意味ではもう1回、結果を出さないかん立場は変わらないので。去年よりはゆっくりやけど、いつもよりかは早めには仕上げたいという思いはあります」
―ボールは投げているか
「遠投は普通に。傾斜はまだ入ってないので、明日(11日)から入っていこうかなという感じです」
―投球フォーム変えようと迷っていたが
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「まだキャッチボール段階なので、ピッチングでどうフォームを固めていくかとか、傾斜を使ってどういう感覚かなというのを確かめて、1月からキャンプ第2クールくらいまででまとめたいかなという感じ」
―50試合登板への思いは
「武田久さんに、入団したときに、リリーフで仕事をしたというのは、50試合が基盤になってくると(教わった)。それをずっと僕はプロの生活で思ってきたので。最高でも50試合、最低でも50試合という僕の中で言葉をつくっていたので。50試合をしっかりと投げて、チームに貢献したい思いは強い」
―ウオーキングも続けているか
「練習前も1時間近く、みんなで歩いて。それからランニングに入っている」
―開幕から全力で、というのは去年と同じ
「変わらないです。やっぱり、使い方というか、チーム状況というのもあるやろうし。ホンマにチャンスというのは少ないから。もうこの年になってくると。初めから飛ばしてそのまま走りきるぐらいの覚悟でいないといけない。ここ2年、50試合を切っているので。本当にそこ。覚悟してやりたいな、というのは自分の中で決めている」
―シーズンを走りきるために取り組んでいることは
「これってね、どれだけ練習しても結局は疲れてくるというのが、正直あって。やっぱり個人的に移動とかも年々、年を取ってくると、しんどい。でしょ、みなさんも(笑)。同じなんですよ、僕も」
―ストレッチなどの工夫も
「以前は移動ゲームでも楽勝に動けていたんですけど、最近はストレッチとかやっておかないとすぐ固くなる、というのはもちろんあるっすけど、疲れがストレッチで取れるかと言ったら、そうじゃないんで。気持ち的にもしんどくなってくるし。そういう意味では、自分の納得できるケアがすぐできる、ことが大事かなと」
―今年は初詣に出かけたか。おみくじは
「もちろん。全然おもろないよ、吉やもん」
―願掛けは
「あまりしないんですよね。野球系は。家族、身内が健康で、ということしか。野球は神頼みしないです。したことないです。良い成績を出せますようにとか、そんなの一回も願ったことない」
―400ホールドが迫っている
「通過点というのは、表現としてしんどいかなというのはあるけれど、やっぱり400というのは、それこそファンの人とかに、期待していますよとよく言われるし、何とか達成したい、しないといけないという思いはある。もう自分のため、という感じじゃない、期待してくれている人のためにという感じ。十分でしょ、390くらい取ったら、個人的には(笑)」
―そうそう抜かれない
「抜かれると思うよ、やっぱり。でも続けることが大事だと思うし、爆発的に能力が高いわけじゃないから、自分は。でもここまでやって来れたというのは、若い悩んでいる子にとって目標にはなるやろうしね。160キロ、150キロが出ないピッチャーだっているし、変化球がやっぱり得意じゃないというピッチャーもおるやろうし。それでも爆発的な成績を残さんでも、コツコツ続けることでこういう記録を達成できる人間もいたんやという目標になればいいから。そういう意味でも切りのいい400というのは目指したい」
―後輩と一緒に自主トレする意義は
「さっきも言ったようにね、数値とかそういう今どきのトレーニングがしたいんやったら、もっと違う人のところもあるやろうし。俺は走るだけ、というのは前々から知っているはず。たまたま走ることも大事と認識しているヤツが多分、ここに来る」
―自主トレメンバーの堀がこの2年、苦しんでいるが
「いや、持っているもんはやっぱり高いし、もう根性もだいぶついてきた。去年は肩が痛かったというのもあるけど、(自主トレに)来た時、体が全然動いていなかったから、終わっているわと(笑)。はっきり分かっていたから、去年の成績はそんなもんやろなと。だけど、今年はやっぱり気持ちが入っているのか、昨日から動きは全然違ったから。今年はそれなりにちゃんとやってくれるんじゃないかなと思う」
―今年は山崎が加入。投手層も厚くなりそう
「ただ、チームとして一つになっていかないと、やっぱり勝てないと思う。だから、キャンプとかオープン戦でいち早くチームになじめるように。もうその役割は俺じゃないからね。やっぱり加藤貴とか玉井とか、そのへんが中心となってチームをまとめて、ピッチャー陣をまとめていけるようにならないと。良い戦力があっても、仲が悪かったらやっぱり継投というのはうまくいかんと思うし、『こいつがミスったんやったら俺がなんとかしてやろう』という助け合いやと思うから。中堅、ベテランに入るような経験豊富なやつらが引っ張っていってくれれば。ただ、俺は見守っているだけ(笑)。ただ違う方向へ行った時に、一喝するぐらいで。もう去年、一昨年ぐらいからもう全然。上沢とか頑張っていたし、チームを引っ張ろうとか、まとめようというのもやっていたし。加藤貴とかも、このままやってくれれば、いいんじゃないかなと思いますね」