若手左腕3人がそれぞれ目標
日本ハムの宮西尚生投手(38)と合同で自主トレを行っている堀瑞輝投手(25)、育成の山本晃大投手(24)、現役ドラフトでソフトバンクに移籍した長谷川威展投手(24)が10日、兵庫県芦屋市で取材に応じた。宮西チルドレンの若手左腕3人が、自主トレ期間のテーマに触れ、2024年の目標を掲げた。それぞれの一問一答は以下の通り。
【堀瑞輝投手】
―走るトレーニング終えて
「きついっす。きついしか出てこないです」
―メニューは事前に聞いているか
「いや、聞いてはいないんですけど、もうずっと一緒にやらせてもらっているので、だいたいの流れは把握している方かなと思います」
―宮西が去年よりも、動けていると言っていた
「去年は肩の治療の方をメインにやっていたから、動けていないのも確かだったので、そのときに比べたら全然、自分でも動けているかな、というのはあります」
―今年はどんな年に
「去年、何もしていないので、今年はそれを取り返すというか、それを忘れさせるくらい1軍でしっかり投げたいと思っています」
―このオフのテーマは
「まず、ケガしないことが一番。投げる日も一応、言われているので、そこに合わせてどんどん上げていって、一発目から良い印象を残せるように上げていきたいな、というのは思っています」
―去年からフォームを微調整して
「大きく変えたイメージはあまりないんですけど、もっと下半身を上手に使って力まないようにと。今まで肩が痛くて力んで投げて、またおかしくなって。もう肩は大丈夫なので、力みをなくして。12月もブルペンに入ったりしていた。良い感じかなと思うので、あとは沖縄に行くまで、何回かブルペンに入ると思うので、もうちょっと体を仕上げてキレを出していければ」
―12月にブルペン入りは早い
「ないですね。例年、12月の後半くらいに軽くキャッチボールしたりして、1月から徐々に上げていく感じだったんすけど、10月、11月がほんとに自分の中で一番、体の状態が良かったので、それを維持したかった。あと、忘れないためにも。なので12月にもブルペンに入ったりしていました。体が動くのもあるし、今までずっと肩を気にしながらやっていた。気にせず投げられるというのが、何というか、幸せな感じがすごい。体全体を使って力まないように良い球を投げる、ということをやっています」
―100メートル15本のあとに追加でダッシュ
「ほぼ毎年恒例なんですけど、ジャンケンして本数を増やすみたいな。勝ったらゼロか、まあ1、2本プラスくらいで。負けると地獄が待っているので。山本(晃)が鬼負けしていたので(笑)」
―宮西が15本走った後、じゃんけんすることもあるのか
「宮さんはジャンケンしないっすね(笑)。いや、でもあの年齢であれだけ走れるのはすごいなと思う。まあ、しょうがないかなと、僕らがプラスで走るのは」
―きつい自主トレに参加する意味は。宮西はメンタル面の効果を挙げているが
「めちゃめちゃメンタルだと思っているっす。自分でも。切れるか、切れないか、ギリギリのタイムを設定されて、切れなかったらプラスで走ってみたいな。どれだけメンタルを切らさずに走れるか。『どっちかというと昭和寄りなランニングをするから』というのは初めのころからずっと言われていたので、そこは自分でも理解して、毎年来ています」
―今年こそ、完全復活
「したいですね、なんとか。去年、本当に見ていることしかできなかったので。今年はスタートから、良いスタートを切れるようにしたいです」
【山本晃大投手】
―100メートルダッシュ25本…。体は大丈夫か
「体、ヤバイっす(笑)」
―じゃんけんで負けて10本追加は予想外
「なかなかないっすよね。僕も5本ぐらいは想定していたんですけど」
―じゃんけんが弱い
「そうですね。さすがに5敗したときにはここから全部勝てるやろなと思っていましたけど。マジでしんどかったっす。誰か1人、僕に(グーかチョキかパーを)教えてくれると思ったんですけど。誰も優しくなかったっす」
―これだけ負ければ、シーズン中は…
「もう負けないっすね。(じゃんけんで)9連敗しているんで」
―宮西に自主トレ参加をお願いした理由は
「昨シーズン、鎌ケ谷にいたときに練習とか見てくれた。一つのメニューをやるにしても、僕ができていなかった、というのが分かった。1個のメニューでも宮さんは(意味や効果を)20分ぐらい話せるというか。今まで自分でやっていたトレーニングが全然だめやったと。そのときぐらいから宮さんに教えてもらいたいなと思いました」
―自分からお願いして
「はい、ファンフェスのあとに食事に連れて行ってもらって。そのときに。お願いしますと」
―シーズン中にもらった助言は
「いつも夏場に球速が落ちるんですけど、何か良いトレーニングないですか、と聞いたんですけど『気合や』しか、言われなかったです(笑)。フォームとかどうしたらいいんですかね、と言ったら『気合しかない』と」
―気合で球速は落ちなかったか
「そうっすね。気合だけを意識して。逆に調子が上がった。いろいろ考えずに、とにかく気合でいきました」
―今年は支配下の枠が空いていて、昇格のチャンスがありそう
「そうですね、やるしかない。相手どうこうというより、1軍で通用するピッチャーかどうか、ということだけだと思うので。キャンプの初日から見せられるように過ごしたいなと思います」
―支配下に上がることが先輩への恩返しになる
「そうですね。宮さんがせっかく自主トレに入れてくれたので、無駄にはしたくないですね」
―球速を上げたい
「そうですね。球速がすべてではないと思うんですけど、球速はあるにこしたことはないと思うので。もともと150キロを春先に投げられていたのに、(夏以降)投げられなかったのは、体力的なものだと思う。常時145キロぐらいは投げたいなと思いますね」
―昨年は2軍で先発機会もあったが、役割はどうなりそうか
「もともと先発をやりたくて。先発以前に1イニングでめちゃめちゃ打たれていたりしたので。やっと最後の方、抑えられるようになって2、3回、先発の機会があって、良い結果だったので。コーチの方からこれからイニングを伸ばしていきたいね、という話があったところでインフルになってフェニックス・リーグに行けなかった。先発はやりたいですね」
―昨季終盤、2軍戦で抑えられるようになった要因は
「真っすぐでファウルを取れるようになった。数字自体は春の方が出ているんですけど、バッターからしたら打ちやすい球だったところを、いろいろ工夫して。タイミングが取りづらいようにしたり、出どころを見にくいようなイメージで投げたのがはまったというか。それでカウントが楽になってストライク先行になった。そこが良かったと思います」
【長谷川威展投手】
―昨年末に現役ドラフトでソフトバンクへの移籍が決定。引っ越しなど準備は
「まだです。落ち着くまではホテル暮らしかなと。時間はあったはずなんですけど、うまくいかなかったです(笑)」
―金沢学院大出身。地震の影響は
「僕は実家が埼玉だったので。ただ(友人、知人で)被災している人は多い。家が半分壊れてしまった友達もいて。輪島とか能登の方にも友達もいるので(心配)」
―移籍が決まった状態で自主トレ。昨年とは心境が違うか
「そんなことを考える間もないくらい練習がきつかった…。想像を超えてきますね。ちゃんと昨年も走って、だいたいの量は把握しているつもりが、その倍の…。僕も備えてきた感じなんですけど、やってみると倍に感じる」
―かなり走り込んでいた
「200メートルを18本ですね。あと400メートルを3本。オフだからこそ、ここまで追い込めると思います」
―今オフのテーマは
「新天地でやるので初日からしっかりアピールできるように。ソフトバンクもランニング量が多いと聞くので、宮西さんのところでしっかり走り込んで。ランニングで疲れて技術面の向上に影響が出ないように意識している。ランニングをやってもしっかり技術の方も集中して取り組めるように」
―宮西と一緒にトレーニングして良かったと思えるように
「活躍が一番の恩返しなので。ファイターズにも、宮西さんにも恩返しになると思うのでしっかり活躍したい」
―ブルペン入りの予定は
「こっちに来る前にもブルペンに入っていたのでいつでも入れるんですけど、今日は体力が追いつかなかった(笑)」
―例年と同じようなスケジュールか
「いや、今年は早かったですね。昨年はこの自主トレからブルペンに入っていたんですけど、今年は早めに準備できるように」
―球団は変わったが宮西との自主トレは来年も継続するか
「できればやりたい気持ちはありますね。今回はお願いしてからチームが変わった。でも他のチームの方も昨年はいらしていたので、ウエルカムな感じなのかな?」
―今年の目標は
「もちろん50試合、投げたいですね」
―それには開幕から1軍で
「そうですね。第一印象がやっぱり大事なので、第一印象を良くしてから次も大事で。その次も大事なんですけど、まずは一発目からいけるように。インパクトを残せるように」