ファイターズ
《ハム番24時》1月11日
痛恨の空港違いだった。昨年12月に約3週間、米フロリダのトレーニング施設「クレッシー・スポーツ・パフォーマンス」で自主トレを行った山口アタル。同月5日の出発直前に、記者は新鎌ケ谷駅で偶然、顔を合わせて見送った(同日のハム番24時参照)が、直後に〝事件〟が起きていた。
「実はあの後、羽田と成田、間違えた(笑)。普段は、英語で検索して切符を買うんですけど、今回は日本語で全部やったんです。そしたら、本当は成田に行かないといけなかったんですけど、羽田に行ってしまった。成田にはもう間に合わなくて、チケットはキャンセル。運が良かったから、新しいチケットが10万円で見つかったんですけど。(羽田と成田)2分の1だったのに…」と苦笑いだった。
まだ育成契約の24歳にとって、10万円は痛い出費。しかし、そんな山口の心を救ったのは、同時期に米国にいた頼れる先輩だった。「安い航空券だったので、帰りは乗り継ぎでシアトルに1泊しないといけなかった。きついなーと思っていたら、ちょうど豪将さんがシアトルのドライブラインに行っていて、会ってくれました。一緒に(現地にある)木田さん(GM代行)のレストランに行って、ホテル代も出してもらって」。加藤豪の優しさに触れ、感謝しきりだった。
予期せぬアクシデントにもめげず、フロリダ自主トレでは多くの収穫を得た。昨年7月に手術した左膝も回復を続けている。「行ったかいはあったし、無事に戻ってこられたので、結果オーライです。今年はけがせず1年を過ごして、支配下、目指します」。1軍デビューを果たせば、10万円は余裕で取り返せるはずだ。