札幌DF西野奨太 恩人の故横山知伸さんへ活躍誓う「上の舞台で活躍することが一番の恩返し」
■1月12日、札幌・宮の沢白い恋人サッカー場
横山さんがアカデミーのフィジカルコーチ時代の教え子
北海道コンサドーレ札幌は12日、若手主体の合同自主トレを行った。ランニング中心の練習に参加したDF西野奨太(19)は、4日に逝去した元札幌の横山知伸さんがアカデミーのフィジカルコーチを務めていた頃の教え子。西野は「悲しい気持ちでいっぱい」と悲痛な思いを語った。今季、出場機会を増やすことで横山さんへの恩返しを果たす。
独特のふんわりとした雰囲気を持っていた人
年明けから悲しい知らせが届いた。西野は前日11日に横山さんが亡くなったことを知ったという。「変に硬くなりすぎないように試合前とかもユーモアを入れてみんなの緊張をほぐしながらアップに取り組んでいたり、選手との距離が近い素晴らしい人。ヨコさん独特のふんわりとした雰囲気を持っていて、素晴らしい人間性でした」と、横山さんの柔和な表情を思い浮かべる。
西野自身はトップに帯同することが多かったため、限られた中での付き合いだったが「みんなの信頼感があった」と振り返った。「ヨコさんに教わった僕たちが上の舞台で活躍することが一番の恩返しだと思う。今年は特にいろんな人たちの思いを背負っていることをピッチの上で表現できたら」。
田中駿汰の抜けた穴を埋める
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昨季、リーグ戦全試合に先発出場したDF田中駿汰(26)がC大阪へ完全移籍。大きな戦力ダウンとなるが、昨季リーグ戦2試合、カップ戦5試合出場にとどまった西野にとってはチャンスだ。「駿汰くん(田中)が抜けて、サポーターのみなさんも『大丈夫か?』という不安があると思うんですけど、駿汰くんの姿を見てきたのは自分なので、駿汰くんの穴を埋める。そして超えていかないといけない」と気持ちを新たにした。
「キャンプの入りから死に物狂いで食らいついていく」
そのためにもスタートからの猛アピールが重要となる。西野は「キャンプの入りから死に物狂いでチームに食らいついていく。誰よりもがむしゃらにやるのが一番大事になると思う」と意気込んだ。持ち味であるボール奪取力に加え、「いかに決定的なパスを出せるか。キャンプ中からどれだけミスしても怒られてもトライしたい」と田中を彷彿とさせる攻撃力を身に付ける。
5月で20歳「もう若いからでは済まされない」
5月で20歳となる若さだが、トップチームに昇格してから4年目のシーズンを迎える。「20歳の代。世界を見ても、Jリーグを見ても、試合に出なければいけない年。もう若いからでは済まされない」と強い覚悟を示した。オフもMF駒井善成(31)から教えてもらったトレーニングメニューをこなすなど、今まで以上に精力的に動いた。「上から見ていてくれると思う」―。天国の恩人へ成長した姿を示すために、まずは定位置確保に挑む。