ファイターズ
2024/01/24 17:30

《岩本勉のガン流F論》特別編 記憶に残るスラッガーたち 清原さん抜きには語れないプロ野球人生

「実力のパ」と表された時代 名勝負を演じた強打者たちを回顧

 現役時代、日本ハムのエースとして一時代を築いた「ガンちゃん」こと岩本勉さん。開幕投手を5度務め、1998、99年には2年連続で完封勝利を飾った。天性のトーク技術と人懐っこい性格で、ファンからも愛された。引退後は評論家を軸に幅広く活動を続けている。オフシーズンの今、あらゆる角度から、プロ野球界の今昔を語る。今回のテーマは忘れられない強打者たち。「実力のパ」と表された時代。18・44メートルを隔てて向き合ってきた数々のスラッガー、記憶に残る対戦を振り返った。

真っ先に思い浮かぶ清原との対戦

 私のプロ野球人生。この方を抜きには語れない。清原和博さん。年は4つ上。大阪生まれの私にとっては思い切り、憧れの人だ。冗談ではなく、清原さんを三振に打ち取った時に、心からプロ野球選手になれたと感じた。そのシーンは今でも脳裏に焼き付いてる。

背水の覚悟で臨んだ2度目の先発登板

 95年7月14日。東京ドームで行われた西武戦。プロ初勝利を挙げた試合でもあった。プロ6年目で通算2度目の先発機会。初先発は前年94年の9月28日。ロッテ戦で1回KOを食らっていた。だからこそ、「これでアカンかったら、プロで食べていけない」と背水の思いでマウンドに立った。

いきなりのピンチで打席には清原 捕手からのメッセージ

 その瞬間は、いきなりやってきた。一回表。2アウトでランナーを背負った場面。4番の清原さんを打席に迎えた。フルカウントとなり、捕手の山下さんのサインはインハイへの直球。私は首を振った。アウトローへのストレートを想定していた。それでもインハイを要求してくる山下さん。こっちが首を振っても、黙ってインハイにミットを構える。「ここ(厳しいコース)に投げられなきゃ、1軍ではやっていけないぞ」。そういうメッセージが込められているような気がした。

フルカウントから投げ込んだ渾身の一球 結果は…

関連記事一覧を見る

あわせて読みたい