ドラ1達 新庄劇場の主役になる!
ビッグボス流歓迎! プロ野球ドラフト会議で日本ハムから1位指名を受けた達孝太投手(17)=奈良・天理高=が6日、大阪市内のホテルで入団交渉を行い、契約金1億円、年俸1000万円(金額は推定)で仮契約を結んだ。4日に行われた新庄剛志新監督(49)の就任会見はチェック済み。「魅力的な監督」と心を奪われた右腕は、来季からスタートする“新庄劇場第2幕”の主役に名乗りを上げた。
契約金1億円、年俸1000万円で仮契約
仮契約を終えた達は、やや緊張気味の表情で会見に臨んだ。しかし、ビッグボスに関する質問が飛ぶと、一気に表情が緩んだ。「他の監督さんでは考えられないことを考えている。人と違ったスター性が魅力的。会って野球の話をしてみたい」と目を輝かせた。
新庄新監督は4日の就任会見で、世界一のチームにするため、投手3人、野手4人のタレント育成を宣言した。ユーチューブで視聴した右腕は「もちろん、そこに入りたい。信頼される選手になりたい」と、3本柱の1人に立候補。天井から登場するなどのパフォーマンスも「自分からはやらないですけど、やれと言われたら」と意欲を見せた。
指揮官はさらに、5日に自身のツイッターで「選手全員を1回はあの大歓声の1軍のグランドに立たせることをここで約束します」と投稿。達にとっては、来季の1軍デビューが保証された形だ。「チャンスがあるのはありがたいこと。そこで結果が出せれば生き残っていける。結果が出せなかったら、まだまだ力が足りないということを確かめられるので、とてもいいこと」と前向きに受け止めた。
浮かれることなく、今やるべきことを冷静に見極めている。新庄監督は「ドラフト1位の子が開幕投手で投げているかも」とも話したが、達自身は「投げてみたい気持ちはあるが、まずはしっかり体をつくっていきたい」と足元を見つめた。
現在はプロ入りへ向けた準備を着々と進めている。体づくりに加え、変化球の球速アップがテーマだ。「遅い変化球では空振りが取れない。もうちょっと速くてストレートに近いようなボールを投げたい」。持ち球のフォーク、カットボール、スライダーをより速い球にするべく、試行錯誤を続けている。
手本は、今季チームトップの12勝をマークしたエース上沢。直球とフォークの球速差が小さい右腕の投球は、達の理想に重なる。「試合の映像を見て、フォークがえげつない。(入団したら)すぐに聞きに行きたい」と弟子入りを志願した。
契約金は育ててもらった感謝の思いをこめて、両親に全額プレゼントする。身長194センチの大きくて優しい17歳は、新庄劇場で主役を張るため、1歩ずつ前に進んでいく。(近藤裕介)
■達 孝太 (たつ・こうた) 2004年3月27日生まれ、大阪府出身。右投げ右打ち。天理高のエースとして出場した今春の甲子園ではチームを4強に導いた。恵まれた体格から投げ下ろす右の本格派で、角度と伸びのある快速球が武器。スケール感、将来性ともに魅力抜群。類いまれなポテンシャルを秘め、先発投手陣の大黒柱になりうる大器だ。194センチ、84キロ。