衝撃受けたキングと戦うために 冬季ユース五輪デュアルモーグルで初代王者狙う中村拓斗
1月27日に韓国・江原で初開催
4年に1度行われる冬季ユース五輪が1月19日から韓国・江原で始まった。今回で4度目となったこの大会から初めて加わったフリースタイルスキー・デュアルモーグルの種目(同27日)に、札幌市出身の中村拓斗(北海道科学大高)が出場する。昨季の全日本ジュニア選手権男子高校の部に出場し、資格保持者の中で最上位の2位に入って日本男子1枠の切符をつかみ取った。この競技を始めるきっかけとなった〝キング〟と近い将来に同じスタート台に立つため、ユース五輪では初代王者となってステップアップするつもりだ。
最初で最後のチャンス
大会前、中村はホームコースのばんけいスキー場モーグルコースで最終調整した。大会派遣の資格を満たす年齢は2006年1月1日から09年12月31日生まれまで。06年12月生まれの中村にとっては、最初で最後のチャンスだ。「生まれるのが1年前だったら出られなかった。とても運が良かったかな。やっぱり優勝を目指してやっていきたい」と意気込んだ。
今大会のモーグル種目は、1対1で同時に滑る勝ち抜き方式のデュアルモーグルのみ。「本当は苦手な種目。スピードをあんまり出せなくて、シングルで滑る時も、トップの選手と2秒とか差がついてしまう」
昨年12月はカナダで手応え
昨年12月にはウイークポイント克服と、FISポイント獲得のためにカナダに遠征。FIS格付けのオープン大会2試合に出場し、モーグルで13位、デュアルモーグルは2位に入った。「ターンはカナダでいい感覚をつかめた。いつもよりもトップから板を入れられるようになった。それを今も意識して滑れている。よりクリーンっていうか、奇麗に見えるターンができる」と手応えをつかんでいる。
ミカエル・キングズベリーに衝撃を受けた少年時代
近い将来、自らをモーグルの世界に導いた憧れの選手との対戦を望んでいる。中村は兄の影響で2歳でスキーを始めた。札幌稲穂小4年時の3月、札幌市内で行われた「ジュニアワールドモーグルレッスン」にゲストとして招かれたミカエル・キングズベリー(31、カナダ)の滑りに衝撃を受けた。