斎藤友貴哉 キャンプ初日の1球降板から1年 負傷した右膝は「怖さがなくなりました」
22年オフにトレード加入 完全復活へ着々
右膝前十字靱帯(じんたい)断裂から完全復活を期す日本ハムの斎藤友貴哉投手(29)が順調な回復を見せている。22年オフに阪神からトレードで加入した最速159キロ右腕は、昨春のキャンプ初日に行われた紅白戦(名護)で同箇所を負傷。大けがを乗り越えて今、投げられる喜びをかみしめた。
鎌ケ谷で自主トレ 捕手を座らせてのブルペン投球も
鎌ケ谷スタジアムで、斎藤は白い歯をのぞかせながら練習に励んでいる。「7、8割」の力での遠投や、傾斜を使っての投球練習。ブルペンでは捕手を座らせて、日々20球ほど投げている。
「あとひと踏ん張りというところですかね。膝の状態とか怖さも含めて。なんか、年が明けたら怖さがなくなりました。普通の感覚で投げられるようになりました。膝をけがしていたっけ? という感じ。膝の折れとかは気にしているんですけど、怖さは全く気にならない。しっかり投げられているなと思います」
元チームメートとの合同自主トレ 「いい意味で開き直れました」
年始は静岡で行われている元チームメートの阪神・岩崎が率いる「チームザキ」の合同自主トレに参加。昨年まであった投げる怖さが、自然と消えていた。
「理由は分からないです。一気に良くなりました。なんかリセットされたんですかね。今までは、けがしている。けがしている。けがしているで投げていたんですけど、いい意味で開き直れました。危機管理をしていきながら、キャンプ中に実戦で投げられたらなと思います。気合が入ってしまう部分もあるので、抑えながらですね」
新庄監督も期待する逸材 守護神候補の一角
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焦りは禁物だ。トレード直後の22年11月に行われた侍ジャパンとの強化試合で最速159キロを計測。新庄監督も守護神候補として大きな期待を寄せていた。
心がけるマイペース調整 ケアの大切さも痛感
昨年1月のブルペン投球では、その時期では異例の「150キロ」を記録。しかし、春季キャンプ初日の紅白戦、初球を投じた際に右膝が悲鳴を上げた。
「頑張り過ぎちゃうとアレなので、徐々に上げていこうと今年は思います。今も(球速を)出そうと思えば出せるんですけど、そこまで出す必要もない。沖縄とかで暖かくなったら、結果的にどんどん出てくるようになるので。去年けがをして、野球ができないと身に染みたので。しっかりケアも含めてやっていきたいです」
スーパースターから学ぶ 野球を楽しむこと
過酷なリハビリに耐え、今は野球をできることが何よりうれしい。おっとりした天然キャラで知られる右腕は、米大リーグで活躍する同学年の二刀流プレーヤーの名を挙げ、意気込みを口にした。
「ここからたぶん(リハビリや競争などすべてが)厳しくなってくると思いますけど、喜びを感じながら大谷(翔平)選手のように楽しんでいきたい。(接点は)高校時代にちょっと戦ったことあるくらいで、話したことないです。すごすぎるので。あの方はたぶん、すごく野球を楽しんでいる。野球を楽しむためにオフシーズン頑張ります!」
仲間の活躍から刺激 今季こそ才能開花だ!
昨年11月には、チームの同学年選手が集まり、食事会を開催。斎藤と同じく他球団から移籍し、昨季フル回転した田中正、池田らと楽しいひとときを過ごした。
「みんな活躍している選手なので。今年のオフシーズンもできるように頑張ります」。ポテンシャルは十分。1軍でスポットライトを浴びる仲間たちの背中を追う。