スキージャンプ・葛西紀明が4季ぶりW杯へ王手 コンチネンタル杯9位で日本勢首位浮上
■HTB杯国際スキージャンプ競技会兼コンチネンタル杯第11戦(1月20日、札幌・大倉山ジャンプ競技場)
日本勢のランキング3位までに開催国枠
ノルディックスキー・ジャンプのレジェンド・葛西紀明(51、土屋ホーム)が、4季ぶりのW杯へ王手をかけた。20日、札幌・大倉山ジャンプ競技場で、W杯下部にあたるコンチネンタル杯第11戦が行われ、葛西は1本目118メートル、2本目126.5メートルを飛び、合計224.3点で日本勢最上位の9位。今季初ポイントとなる29ポイントを獲得し同杯ランキングでも日本勢トップの44位に立った。21日の第13戦終了時点での日本勢ポイントランク上位3人が、2月17日開幕のW杯札幌大会に開催国枠で出場できる。
「130メートルとかいけるんじゃないかな」
絶好調だ。1本目は全体18位の日本勢で4番手だったが、2本目に大きく飛距離を伸ばし上位を一気にまくった。W杯開催国枠の競争で首位に立った。4季ぶりの同杯ポイントの獲得に「久しぶりの国際大会でちょっと不安なところもあって、弱気な自分もいた。でもガツンと行かなきゃダメだなと思って、思い切って2本目は行ったけど、ちょっとタイミング遅れた感じはありましたね。でも、いい感じに芯を食ってる感じがするんで、あそこまで伸ばすことができた。もうちょっと完璧なジャンプできれば、130メートルとかいけるんじゃないかな」と、好位置に付け笑顔が弾けた。
昨季は繰り上げ出場も、本戦まであと1人足りず
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なんとしても、もう一度大舞台のスタートに立つ。葛西が最後にW杯本戦に出場したのは、2020年2月2日の札幌大会。昨季はコンチネンタル杯でポイントを獲得できなかったが、体調不良者が発生し予選に繰り上げ出場。しかし、本戦出場50人にギリギリ足りない51位で涙をのんだ。この日の結果で一気に優位に立ったが、油断は禁物だ。葛西の下には7ポイント差で佐藤慧一(26、雪印メグミルク)、さらに2点差で内藤智文(30、山形県協会)と続く。ポイントは1位100点、2位80点…、一発逆転の可能性も十二分に残されている。
「ワールドのランキング来たなってのを経験できる」
当然、優勝すれば文句なしで決定だ。「明日、優勝したいっすね。オーストリア、ドイツ、スロベニア、この辺から来てる選手はほとんどワールドカップレベルなんですよね。自分が成績出せば出すほど、ここまでワールドのランキング来たなってのを経験できるんで、いいコンチネンタル2戦」。世界での現在地を確かめるまたとない試金石になる。
教え子伊藤有希と21日にW優勝だ
教え子の優勝にも刺激を受ける。1月14日の女子W杯札幌大会で伊藤有希(29、土屋ホーム)が今季2勝目を挙げた。トレーニング中で直接見ることは出来なかったが、携帯でチェック。「1本目の感じだと優勝パターンだったんで、イクなってのは感じてました。その日の夜に、うちでおすし食べて、お祝いしてあげて『残りの蔵王2試合勝ってこいよ』とハッパかけといた。昨日は2位ってことで、あした(21日)は勝ってくれるんじゃないか。お互いに刺激し合って、高めていきたい」。札幌と蔵王、チーム土屋のW優勝で、再び祝杯を挙げる。