横山知伸が札幌で頑張っていたことをずっと覚えていてほしい《河合CRC竜の眼》
カーリングとバドミントンチームも応援で後押しを
現在、沖縄でキャンプを行っている北海道コンサドーレ札幌。3月まで続くキャンプに〝コンサドーレロス〟を感じているサポーターの皆さんにおすすめしたいのが、コンサドーレのカーリングチームとバドミントンチームの試合観戦だ。
カーリングチームは27日から2月4日まで札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで行われる日本カーリング選手権に出場する。チームにとって大事な大会なので優勝を狙ってほしいし、皆さんにとってもなかなかカーリングを現地で見る機会は少ないと思うので、この機会にぜひ観戦していただきたい。なお会場内は寒いので万全の防寒対策、そして土足厳禁なので上靴も忘れずに来場を。
バドミントンチームは2月3日に北ガスアリーナ札幌46で、トリッキーパンダースとS/Jリーグのリーグ最終戦を行う。昨年の札幌大会では声出し応援ができない状況の中、大きな手拍子で選手の背中を後押ししてくれたおかげで選手たちはすばらしい試合を見せることができた。チームにとっては残留を懸けた大事な試合。声出し応援も解禁となったので、今年も多くのサポーターの応援で後押ししてほしい。
訃報にショックと悔しい気持ち
1月4日、札幌のチームメートだった横山知伸さんが38歳の若さで逝去された。しばらく会えてなかったので、未だにヨコが亡くなった実感はないのだが、やはりものすごいショックを受けている。私にとって同じチームで戦った選手の訃報を聞くのは4度目のことなのだが、本当に残念だし「何でだよ!」という悔しい気持ちがある。
ライバルであり、心強い仲間
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ヨコが札幌に入ってきたのは2017年シーズンのこと。私と同じポジションの選手なのでライバルの間柄ではあったが、よく話す機会もあったし、上下関係もしっかりできる律儀な男という印象もあって、心強い仲間が入ってきてくれたなと思っていた。
クレバーさと熱い心
一緒に試合に出てDFラインを組むこともあったが、対人の部分でも長けていたし、カバーリングもできる。非常にサッカーIQが高いのでやっていて全然違和感もなかった。クレバーな選手だなと印象を抱いた一方で、試合中は結構吠えていて、意外と熱いものを隠し持っているなとも感じさせた選手だった。
最初に病気を発症したときは強い意気込み
翌18年限りで札幌を契約満了となったが、その年末に意識を失ったと聞いて慌ててLINEで連絡を取ったことを覚えている。ヨコからは「必ず打ち勝ってピッチに帰ってやります!」と強い意気込みのメッセージをもらったし、「しっかり治すので飲みに連れて行ってください」とプライベートなやりとりもした。私が現役を引退する報告をした際には「竜二さんと飲むのを目標に治療を頑張ります!」と返事を返してくれたこともよく覚えている。
現役を引退して札幌のアカデミーへ
ヨコは19年途中に岐阜に加入して選手として復帰し、そのシーズンをもって現役を引退した。逐一報告をきちんとしてくれる男で、現役引退の報告と札幌アカデミーのフィジカルコーチになること、そして私の息子がサッカー部に所属しているクラーク高校にも携わることも報告してもらっていた。札幌に戻ってきてからはラジオの取材などで会う機会はあったものの、お互いに忙しくてなかなか会えずにいただけに、本当に悔しい気持ちだ。
病気の中でもポジティブに発信できる
「自分と同じ病気になって困っている人に勇気を与えたい」とヨコは言っていた。脳腫瘍という病気に一度打ち勝った本当にすごい男だし、病気の中でもポジティブに発信できるメンタルは本当に尊敬の気持ちしかなかった。できるならサポーターの皆さんには横山知伸という選手が札幌で頑張っていたことをずっと覚えていてほしいし、チームメートだった私たちもヨコの分も人生を精一杯楽しく生きて、札幌が一つでも上の景色を見られるチームになるように頑張っていきたい。