田中正義 4種のボールで指先の感覚アップ「遊び心を入れる感じです」
先乗り合同自主トレに参加 ブルペンでユニークな投球練習
日本ハムの田中正義投手(29)が24日、1軍キャンプ地の沖縄・名護で始まった先乗り合同自主トレに参加。ブルペンで行った投球練習では、4種類のボールを使い分けて指先の感覚を養った。
昨季25セーブを記録した守護神は、160キロの大台到達を目指して、工夫を凝らしたトレーニングを実践している。
順調な調整ぶりを物語る球威 「しっかり上げていければ」
強烈なボールが捕手のミットに突き刺さる。立ち投げから始まった投球練習は徐々に熱を帯び、最後は捕手を膝立ちにさせ、力を込めて16球を投じた。先乗り自主トレ初日からブルペン入りした田中正は「傾斜で投げたかった。(調整は)順調に来ているので状態をしっかり上げていければと思います」と充実の表情を浮かべた。
重さの異なるボールでピッチング 昨年10月から実施
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
繊細な感覚に、より一層の磨きをかけている。この日のブルペンには、異なる4つのボールを持ち込んだ。NPB球に加えて、摩擦の少ないMLB球。さらに通常の5オンス(141・7グラム)とは1オンスずつ重さの違う4オンスと6オンスのボールを使い分けた。
数種類のボールを扱うトレーニングは、パーソナルトレーナーの勧めで昨季終了後の10月から導入。1日として同じ感覚の日がないシーズン中に、安定したパフォーマンスを発揮するための取り組みだ。
4種それぞれに大きなメリット
「遊び心を入れる感じです。違う感覚を入れて、それを元に戻した時にどうなるか。何かを極めようとやっている訳ではなく、半分遊びで。その中でどう、うまくなるかですね」と練習の意図を説明した。
軽めのボールを使えば、ストレートが浮き上がる感覚を覚えることができる。また、滑りやすいMLB球で変化球を投げることで、グリップの利くNPB球をさらに巧みに扱えるようになる。複数のボールを使った練習で得られるメリットは決して小さくない。
今季も狙う守護神の座 球速アップも期す
最大の武器とする剛速球は今季も健在だ。1月中旬に鎌ケ谷でプルペン入りした際には147キロを計測。シーズンへ向けて出力が上がれば、球速は自然と増していく。「悪くはないけど、まだまだ伸びしろを感じています。平均球速も上げたいし、160という数字もいつか出せるようにしたい」と目標達成へ意気込む。
「痛いところもないし、体も順調に来ている。けがに気をつけながら、開幕まで行けるように頑張りたいです」。圧倒的なポテンシャルの持ち主が、九回のマウンドに君臨する。