山本拓実 球速アップの鍵はフィギュアスケート!? 韓国武者修行で意外な提案
先乗り合同自主トレスタート 一番乗りでブルペン入り
日本ハムの先乗り合同自主トレが24日、1軍キャンプ地の沖縄・名護で始まった。初参加の山本拓実投手(23)は一番乗りでブルペン入り。捕手を座らせ、変化球を交えながら28球を投じた。
中継ぎ陣の核となり得る小さな勝負師は、来たるシーズンへ向けて着実に力を蓄えている。
順調な仕上がり 宮古島自主トレでは打撃投手も
仕上がりは順調だ。右腕は年明けから宮古島で自主トレを敢行。温暖な南の島では2日に1回のペースで投球練習を行ってきた。この日も真っ先にブルペンへ向かい、直球、スライダー、シンカー、カーブ、カットボールと変化球を惜しみなく披露した。
「自主トレ先のマウンドは粘土じゃなくて土だったので、その辺の感覚を合わせながら。宮古島では打撃投手までやってきたので、もう投げる準備はできている。いつでもいけます」と万全を強調した。
19日からは1泊2日で韓国のトレーニング施設へ
海を渡り、成長のヒントをつかんできた。19日に宮古島での合同自主トレを打ち上げると、翌日には1泊2日の強行軍で韓国へ渡航。ソウルにある動作解析の専門施設「SSTC」へ出向き、投球フォームの改良や肉体強化に取り組んだ。
明確になった課題 投球フォームの微調整
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より効率良くパワーを伝達するため、投球フォームに微調整を加える。現地では投球時の腕の軌道について指摘を受け「僕は投げる時に腕が(体から)ちょっとだけ離れてしまう。何カ所か(国内で)トレーナーさんに見てもらっても『腕の回旋スピードを上げましょう』と言われて、共通している部分が多かった」と明確な課題を持ち帰った。
まさかのアドバイス 参考となった氷上のバレエ
ロスの少ない動きを実現する上で、参考にするのは他競技のパフォーマンスだ。現地では「ちょっとフィギュアスケートのイメージを持ってみたらどうですか?」と意外な提案を受けたという。
専門家の解説に首肯 膨らんだイメージ
実際の映像を見ながら地面反力や可動域について解説され、知見を広げた。
「フィギュアスケートのスピンって腕を縮めたら、めちゃめちゃ速くなる。逆に広げると回転が遅くなる。僕は少し手が離れてしまうので『軸を駒のようにして投げるのが良いよ』という話をされました。スピンの最後はこうやって(体を縮めて)クルクル回る。体に近いところに腕や手があった方が、回転が鋭くなって球速が上がる」とイメージを膨らませた。
さらなる飛躍へ試行錯誤 追い求める最高の一球
昨季、直球の平均球速は149キロ台だった。わずかでも球速が上がれば、投球の幅はさらに広がる。
「2月は毎年150が出ない。そこで1球でも150が出れば『今年は良いのかな?』って思える。でも球速を出すことよりも打者を抑えることの方が大事。実際に投げてみて、反応を見ながら徐々に調整したい」。試行錯誤を繰り返し、最高の一球を追求する。