梅林優貴 実力不足を受け止めた育成再契約 背中を押されたコーチの言葉とは
鎌ケ谷で自主トレーニング 再出発へ心機一転
日本ハムの梅林優貴捕手(25)が自主トレを行っている千葉・鎌ケ谷の2軍施設で取材に応じ、育成選手として再出発することになった現在の心境や、支配下復帰に懸ける決意を明かした。
昨オフにいったん戦力外となり、ショックを受けたが、コーチの熱い励ましの言葉に背中を押された。もう、不安や迷いはない。自らの強みを最大限に生かし、下克上の一歩を踏み出す。
プロ4年目を終えて下された宣告
昨オフ、支配下として翌年の契約を結ばない、と通告された。同じ境遇の選手の多くは球団幹部の説明を聞き、短い時間で退室する。しかし梅林は、努めて冷静に振る舞い、いくつかの質問をしたという。
「普通は5、6分で出てくるところを30分くらい話しました。起用についてや、どういう感じの選手として見てもらえているのか、聞かせてもらいました」
自らを奮い立たせて前へ 決して諦めない
落胆しながらも、チームに貢献するための手段、自らの課題などを把握しようと行動した。「結局、クビになるのは実力がない、というだけのこと。それ以上でもそれ以下でもない」と潔く認めた上で、必死に前を向こうとした。
救われた島崎2軍投手コーチの言葉
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通告されてすぐ、お世話になった指導者、スタッフに報告し、お礼を伝えた。強く印象に残ったのは、当時の島崎2軍投手コーチの言葉だ。
「クビになりました、と言ったら『キャッチャーとしての評価は俺の中で高かった。それでも打たなければ、試合に出られない。いい部分を生かすためにも、しっかりバッティングを頑張って、集中力を切らさずにやってくれ』という感じの話をしてもらった。クビになってどうしよう…という時期だったので、それはすごくありがたかった」と感謝した。
ライバル多数 気を引き締め臨むプロ5年目シーズン
打診された育成契約は、期待の表れでもある。球団は今季、育成から支配下へ、積極的に昇格させる方針を打ち出している。けが人の状況など、チーム事情にも左右されるが、当然、梅林もその候補だ。
ただ、楽観視はしていない。台湾から加入した孫や、5年ぶりに古巣復帰となった鍵谷に触れ「今年の育成は今までと違い、コンディションが整えば、普通に支配下だろうな、という実績のある選手が結構いる。そう考えたら、そんなに枠が空いている、というようには思っていない」と見ていた。
有望ルーキーも入団 激化する捕手のレギュラー争い
実際、捕手の競争は激しい。投手陣から信頼を寄せられるベテランの伏見が中心にいて、打力に定評があるマルティネスや郡司が続く。昨季終盤にブレークした田宮も有望株で、ドラフト2位ルーキーの進藤も即戦力の呼び声が高い。
持ち味のディフェンス力で真っ向勝負!
対して梅林の長所は守りだ。「バッティングキャラがいっぱいいるので、その分、僕の入り込めるところがあるのかな、と思います」と分析し「パスボールや変なミスをしない。そつなくこなすことが一番難しいと思うんですけど、それが大きなテーマ」と強調した。
支配下への道が険しくても諦めない。他球団が強く警戒する強肩と、投手に寄り添う献身的なスタイルで活路を開いていく。