ファイターズ
《ハム番24時》1月27日
「急がば回れ」ということわざがあるように、プロ野球の世界に入ったばかりのルーキーたちにとって、「焦らないこと」は大切だ。 ドラフト1位ルーキーの細野は、新人合同自主トレ期間中、まだ1度しかブルペン入りしていない。それも、力感を抑え、捕手を立たせたままの投球だった。初の春季キャンプも2軍スタートが決定済み。それでも、「本当に焦らずっていうのがテーマだったので、計画通り、順調に来ているかなと思います」と前を向いた。
今季のルーキーで、大卒は細野を入れて3人。他の2人、進藤と宮崎は1軍キャンプメンバーに入り、27日から沖縄入りした。プロの世界が弱肉強食の競争社会であることは、新人でも知っている。「焦らないこと」は、外野が想像するより難しい。細野は「きょうは2人いなかったので、いつもとは違う雰囲気の練習でした。焦らずとは言いながら、内心は結構、悔しいというか、早くやりたいなという気持ちもあります」と正直な気持ちを口にした。
キャンプからアピールして、開幕1軍に入る。プロ野球選手の大多数が思い描く目標だ。それでも、細野はグッとこらえる。「もちろん、開幕1軍に入りたいですけど、焦っちゃいけない。ケガしちゃ意味がないと思いますし、スタートはちょっと遅れても長く活躍できるようにやっていきたいなと思います」と力を込めた。
ふと、細野の仮契約の席で、大渕GM補佐兼スカウト部長が話した言葉を思い出した。「将来は日本代表になる選手。目先の山ではなくて、世界に通じる大きな山に登ってほしい。そこを目指すためには、今すぐ即戦力で、開幕ローテとか、そういう目先のことにこだわりすぎないように。小さい山を登る人とは、準備が違う」。その思いは、未来のスターにしっかり届いている。