練習試合は結果よりも内容が重要

　今季からＪ１で戦う町田に０－２と敗れた札幌。この時期の練習試合の結果に一喜一憂することはないという私のスタンスは変わらない。
公式戦ではなく真剣勝負ではないし、まだ準備段階で選手のコンディションにもばらつきがある。私の経験上、この時期の練習試合の結果はあまり意味を持たない。結果よりもその内容が重要で、ゲームをすることに意味があると思う。

新戦力のフィットには時間が掛かる

　ペトロヴィッチ監督がそのゲームのテーマを設定し、それが納得のいくものであればそれでいいのだ。今季の札幌は多くの主力選手が他チームに移籍して顔ぶれが変わった。新戦力の見極めはそう簡単にできるものではなく、フィットさせるにはそれなりに時間が掛かる。

うわべだけの自信はいらない

　本当なら町田も叩いて勝ち癖をつけて自信を持ってもらいたかったが、うわべだけの自信はいらない。今は何ができて何ができないのかを分析する時間なのだ。とは言え、開幕戦の日程は決まっていて、そんなにゆっくり構えている時間もないのが現実。沖縄キャンプで大まかな人選、チームのベースを整えておかなければならない。

開幕戦も１００パーセントにはならないだろう

　もちろん熊本キャンプで細部を詰めて仕上げるだろうが、福岡との開幕戦には１００パーセントの状態にはならないだろう。スタートダッシュというより、開幕してゲームをこなしながらチーム状態を上げていくということになる。開幕５戦目くらいまでをどう乗り切るかが大きなポイントになる。

アピールをしなければ開幕の１１人には入れない

　選手たちは開幕スタメンに照準を合わせてキャンプを過ごしている。開幕前のキャンプはフィジカルに負荷をかけて追い込むので、その疲労度は半端ではない。しかし監督にアピールをしなければ開幕の１１人には入れない。私にも経験があるが、無理をしてケガをし、結果的に出遅れてしまったことがあった。チーム内の序列で無理をしなければならない立ち位置にいる者は必死だ。

適切な判断ができるのも良い選手の条件

　若手や、補強で加わった新加入選手は、多少のケガは我慢してしまうだろう。無理をせずにトレーナーに相談してほしいが、こればっかりは個々の判断に委ねられる。自分に自信があれば「休む」と言えるのだが、私はずっとぺーぺーだったので、それが言えなかった。適切な判断を下せるかどうかも良い選手の条件である。