選手権ベスト8の名古屋高エース・MF原康介の札幌加入が決定
近日中に正式発表
北海道コンサドーレ札幌に名古屋高校(愛知)のMF原康介(18)が加入することが決まった。近日中にクラブから正式に発表される。
厳しい入団テストを経て、見事に〝合格〟をつかみ取った。30日の午前練習終了後、報道陣の取材に応じた原は、「素直にうれしいです」と喜びを口にする一方で、「これから厳しい競争が待っていると思うので、そこに対して大きな覚悟を持ってやっていきたいです」と、プロの自覚を胸に刻んだ。
選手権で番狂わせ演じた原動力
今年度の全国高校サッカー選手権で初出場ながら8強入りを果たすなど、数々の番狂わせを演じて話題となった名古屋高。その原動力の一人が10番を背負った原だ。2回戦の北海戦ではスピードとアジリティを武器に攻撃をけん引し、前半40分に先制点をアシストすると、後半10分にもアシストを記録。アディショナルタイム2分には勝負を決定づけるゴールも決めて3-0で勝利した。
今月23日から札幌の練習に参加
以前から原の存在を認識していた札幌は、選手権での活躍を受けて沖縄キャンプの練習参加を打診。それまで原はプロからのオファーを待って大学からの推薦を断っていたもののJクラブからは声が掛からず、一般入試での大学進学も検討していた。「びっくりしました。J1クラブ(からの打診)だったのですごくうれしかったです」と、今月23日から札幌の練習に参加し、受験勉強と並行しながらトレーニングを行っていた。
川崎、町田戦に出場して個の力発揮
札幌の竹林京介強化部長(48)は原の特長を「戦術理解度、サッカーIQが高い。プレーを見てもスピードがあるし、高校年代にしては体も強くて、ハードワークもできる」と説明する。24日の川崎戦、28日の町田戦と練習試合にも出場し、個の力でマークを剥がして突破を見せるなど、そのプレーぶりにはクラブも高く評価した。28日の試合後、札幌から正式獲得のオファーを受けることとなった。
「違いを見せられる選手に」
プロとなってターゲットにしているポジションは左ウイングバック。自身の得意なプレーは「ドリブルやスピードで(相手を)抜き去るところ」と口にし、目標は「結果を出せる選手、他と違いを見せられるような選手になりたい」と語る。
吉原宏太さんのように
高校選手権での活躍をきっかけにプロ入りしたエピソードから、1996年大会で得点王を獲得し、卒業後に創設したばかりの札幌(当時JFL)へ加入した吉原宏太さん(45)を思い起こさせる。プロ入り後すぐに日本人エースとなり、クラブ史上初の日本代表に選出された吉原さんのように、〝下克上〟を巻き起こしてみせる。
■プロフィール 原 康介(はら・こうすけ) 2005年8月3日生まれ、静岡県出身。NAGOYA VIDA FC、名東クラブを経て、名古屋高へ進学。同校出身者では14年から2年間、J3盛岡でプレーした松本圭介さん(35)に次いで2人目のJリーガーとなる。170センチ、65キロ。ポジションはMF。