ファイターズ
《ハム番24時》1月30日
〝着た切りスズメ〟からの卒業だ。1軍キャンプ地の沖縄・名護で行われた先乗り合同自主トレは30日、最終日を迎えた。山本拓は同期間中、人知れず悩みを抱えていた。
打ち明け話を最初に聞いたのは、合同自主トレ初日の24日だった。この直前、日本列島には寒波が襲来しており、海は大しけ。「実は、宮古島から送った荷物が届いてなくて、トレーニング用具とか全然ないんです。3、4日前ぐらいに送ったんですけど、船便が欠航続きで…」
持参できたのはトレーニングウェア1セットとグローブ、スパイク、ランニングシューズなど必要最低限の用具だけ。チームの器具を借りることで練習に大きな支障は出なかったが「不安な日々を過ごしました。毎日、宮古島の郵便局に『まだ船は出てないですか?』と電話して、ゆうパックの追跡サービスも1日3回ぐらい確認してました」と、心落ち着かぬ時を過ごしていた。
その後、荷物は無事に到着。試練を乗り越えたヤマーンは「ホテルのコインランドリーで、毎日せっせと洗濯してました」と一張羅で過ごした時間を、苦笑いで振り返る。長丁場のキャンプへ向けて、ようやく準備は整った。心の平穏を手に入れた男の快進撃に期待したい。