《新コーチに聞く》~稲葉篤紀2軍監督【2024ファイターズ新コーチインタビュー】
道新スポーツデジタルでは、日本ハムの沖縄春季キャンプに合わせて「新コーチに聞く」を不定期連載する。2024年に就任したコーチングスタッフを紹介。大切にしている言葉や信念、影響を受けた指導者、キャンプ中の失敗談、オススメの息抜きなど、いくつかのテーマに沿って答えてもらった。第3回は現役最終年以来10年ぶりにユニホームを着る稲葉篤紀2軍監督(51)が登場する。
「ワクワクしていますよ。すごく新鮮です。ファイターズのユニホームは選手時代以来ですし、また新たなチャレンジ。そういう意味でワクワクしています」
「選手は個々で能力も違いますけど、侍ジャパンに入るような選手を育てたい。もっと上なら、メジャーで戦える選手を育てたい。大きな目標としてありますけど、まずはファイターズのレギュラーとして、長く選手生活ができるようにと思っています。今年の2軍の方針は『一を大事に』。一球、その一瞬を全力で。そこにつながっていく。全力でやっている選手は、誰かに助けてもらえる。人から見て好感を持てる選手になれば、誰かが必ず助けてくれるでしょうし、人間性も含めて、そういう選手になってほしい。良い子ちゃんになれというわけではないけど、みんなから愛される、応援してもらえる選手を目指してほしい」
「人のまねじゃなくて、自分流でいいかなと思います。だから、人のことは気にしないようにしています。監督が特別えらいわけではない。でもリーダーとして、選手のためにやっていきたい。選手が、このリーダーの下でやっていて、こういうことが勉強になったなとか、こういうふうに育ててもらったなとか、そうやって思ってくれたらいい」
「僕の今年のテーマが『我慢』なんですよ。言いたくても我慢する、教えたくても我慢する。ファームはまだ育成段階なので、試合中もいろいろ、我慢しないといけないことがあると思う。コーチには、もっとこの選手をこうしたらどうかとか、そういう話はしますけど。バッティングは僕の専門なので、いろいろアドバイスはするかもしれないですけど、選手との距離感を大事にする。コーチに任せて、コーチに責任を持ってやってもらう。今年は我慢です」
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「その時代、時代でいますね。ヤクルト時代から、5人の監督(野村克也氏、若松勉氏、トレイ・ヒルマン氏、梨田昌孝氏、栗山英樹氏)の下でやってきたし、(侍ジャパンでは)原(辰徳)さん、山本浩二さん、星野(仙一)さん。小久保(裕紀)さんの時はコーチだったけど、それぞれにいいところがある。野村さんもそうですし、それぞれの特徴がある。伝え方、言葉の影響力ってすごく強いと思っていて、この人に出会ったから人生が変わりました、と言われる人って結局、言葉だと思うんですよね。その人に会っただけでは、人生は変わらないと思う。その人からもらった言葉で、人生が変わる。その言葉がすごく大事で、伝え方、タイミングは気をつけるようにしています」
「『全力』ですよ。やっぱり。『全力疾走』。それをずっとやってきたので。全力でぶつかる。全力で話をする、というところかな。それはやっぱり崩したくない。変わらず、ぶれずにやっていきたい」
「あれをしておけば良かった、これしておけば良かったというのは、特にないかな。思い出は、昔、マージャンができたんですよ。当時はマージャン部屋があって。梨田さんの時は、そこで監督、コーチも時間があったら遊んでいて、コミュニケーションを取っていた。そんな時代で、楽しかったです」
「現役の時は、休みの日はゴルフでしたね。それが一番の息抜きでした。国頭は監督になって初めてなので、どう過ごそうか考え中です。ルーキーの子たちには、休みの過ごし方について、スタッフから話をしてもらおうと思っています。部屋も2人ですし、なかなか1人でゆっくりできない中で、どう過ごすか。本当は1人の時間があればいいけどね。どっかで自分でつくっているだろうけど、目の前が海なので、浜辺に行って何かしら体を動かしたりね」
「苦手だなー。難しいですね。やりたいと言ったことは、やらせるようにしているかな。なるべく。基本的には子どもの主体性を尊重して。好きなことだけ、やらせるわけではないですけど、これやってみたい、あれやってみたいと言ったことに対しては、やらせてあげるようにしています。叱る時もありますよ。人に迷惑をかける行為はダメですし、言う時は言います。やっぱり、おやじがピシッとしっかりしていることは大事かなと思う。妻が父親代わりもしてくれる。どうしてもそういう役目をする時がある。叱ってばっかりっていうイメージをあんまり持たせないように、うまくやるようにはしています」
「10年ぶりにユニホームを着ることになって、皆さんから、うれしい応援のお言葉をたくさんいただいた。鎌ケ谷で、本当に応援されるチームをつくっていきたいと思います。叱咤激励は大歓迎。言いたいことがあったら、どんどん言ってもらっていいです。外から見ているファンの人の声は、大事にしなきゃいけないと思っているので。でも、そういう声がなるべく出ないように、拍手をたくさんもらえるように、精いっぱいやっていきます。鎌ケ谷は暑くて遠くて大変ですけど、ぜひ球場に来ていただいて、若い選手にエールを送ってください。よろしくお願いします」