《新コーチに聞く》~岩舘学2軍内野守備走塁コーチ【2024ファイターズ新コーチインタビュー】
道新スポーツデジタルでは、日本ハムの沖縄春季キャンプに合わせて「新コーチに聞く」を不定期連載する。2024年に就任したコーチングスタッフを紹介。大切にしている言葉や信念、影響を受けた指導者、キャンプ中の失敗談、オススメの息抜きなど、いくつかのテーマに沿って答えてもらった。第5回は、昨季までプロスカウトを務めていた岩舘学2軍内野守備走塁コーチ(42)が登場する。
「ファイターズに来た時から、球団には指導者をやりたいと伝えていました。引退する直前は、指導者になったらこう教えようとか、こういう指導者にならないとか思ってやっていました。新たにいろいろとやってくれと言われているので、意見は出しやすい環境です。新鮮な気持ちで、できています。練習は量より質。時間が限られているので、考えてやらないと。スコアラー、スカウトとしてチームを見ていて、もっとこうしたらいいと思っていたことが、ある程度の土台になっています」
「その子の最大限の能力を引き出したい。スカウトを経験しているので、どうなってほしいという将来像のイメージがある。そこに近づけたいです。それを飛び越したい。(担当スカウトから)こんなにしてくれてありがとうと言われる選手にしたいです。そういうのはスカウトが一番うれしいこと。スカウトの幅が広がるかもしれない。原石がいっぱい転がっている。そこは勝手に目指しています」
「コーチでありたくないです。友達でいいと思う。相談できるおじさんだったり、コーチっていう感じじゃなくていいです。だから、新人にも岩舘コーチと呼ぶなと言いました。学さんでいいから。それで全然いいと思う。素直に話せなくなるし、こっちも言いたいことが言えなくなる。栗山(英樹)さんには学と呼ばれていた。一発目から学と呼ばれて、あれがいいなと思いました。そういうのって大事ですよね」
「真面目な話をすると、けがをしないことです。選手はもちろんそうだけど、一応、内野守備走塁コーチは代わりがいない。体調管理とか健康面ですね。太ってもいいけれど、いないといけない。選手の時は自己責任だけど、コーチはそういうわけにいかない。ここ数年やっているのは朝の黒酢です。炭酸に大さじ1杯くらい入れて飲んでいます。目が覚めるし、血圧が下がる。キャンプにも持ってきています」
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「巨人の時に内野守備コーチだった勝呂(壽統)さんです。守備の基本的な考え方を教えてもらいました。それまではやり方ではなくて結果を教わっていた。勝呂さんはやり方や方法の引き出しをつくってくれました」
「今、自分が大事にしている言葉は『置かれた場所で咲きなさい』。仕事場所は選べない。引退後はそういう思いを持ちながら、ずっとやってきました。スコアラー、スカウトをやって、編成も兼務しながら、いろんな勉強をさせてもらった。そこで全力を尽くす。こういう言葉があると、日陰でも花が咲けば、日なたに行けると思っています」
「巨人の時の1年目に新しいことをしようと、靴の中に入れるインソールを作って、やりすぎて炎症を起こしてスタートが遅れました。その時から、けが人生が始まりました。それが響いて1カ月くらい遅れて、そのシーズンの終わりに肩を壊して。キャンプにはいい思い出がないですね。ファイターズに来た1年目も、阪神との練習試合で二塁打を打って肉離れしている。キャンプでのけがが僕のプロ野球人生のすべてを物語っています」
「ストレスたまらない方なので…。新しいことを探し出すのが楽しい。大変なものにどう取り組むのか。嫌だと思うから、ストレスがかかる。選手がこう言ったら喜んでくれるんじゃないか。こういうデータを伝えたら、試合で使ってくれるのでは、とか考えることが楽しいです。今だったら、ホテルで新人選手の資料を作っています。これからどういう方向性に持っていくのか、パワポで資料を作っています。それを残していこうというのが今のチームの課題だと思う。映像や言葉や文章で残していく。分かりやすく残したいので、誰が見ても分かるように自発的に作っています」
「子どもは3人います。中2の長男と小4の長女は野球をやっています。2人ともやりたいと始めて、一番下の娘は、私はやらないと言っています。ほったらかしなので。自分の子どもを教えるのは難しい。あまり言わないようにしています。妻とのバランスは大事にしています。勉強も含めて厳しく言うし、なので僕は甘やかしています。ずるいですよね(笑)。子どもたちにはいろんな経験もさせたいし、ある程度レールは敷いてあげたい。どのレールに行くかは自分たちが選べという感じです」
「ファンの人たちがファームに何を期待しているのか。やっぱり若い選手一人一人に、中島卓也選手みたいになるんじゃないかとか、イメージがあると思う。そういう期待のイメージ像に近づける選手を育てる。それを飛び越えるような選手をなんとか育てたいなと思います。コーチとしてじゃなくて、良きおじさんでいいんだけど。ちゃんと道を間違えずに一歩一歩進んでくれたらゴールが見えると思うので。ファンの人たちが、うまくなっているねと感じるようなサポートができるように頑張ります」