高卒3年目の有薗直輝がチーム1号! 4三振の屈辱をバネに猛アピール「自分の持ち味はバッティング」
■紅白戦 紅組2ー0白組(2月3日、タピックスタジアム名護)
新庄監督に猛アピール! 先制ソロに右中間二塁打
期待の大砲候補は、屈辱を糧にはい上がる。日本ハムの有薗直輝内野手(20)が3日、沖縄・名護で行われた紅白戦に紅組の「5番・三塁」で先発出場。四回の第2打席で左翼へ豪快な一発を放った。二回の第1打席でも右中間二塁打を放つなど、新庄剛志監督(52)に持ち前の打力をアピール。今季初実戦で誰よりも大きなインパクトを残した。
納得のバッティングに笑顔満開 「オフにやってきたことが出た」
白球は強い逆風を切り裂き、軽々とフェンスを越えた。2打数2安打の好結果に「(キャンプは)2軍スタートでしっかりアピールしようと思っていました。自分の持ち味はバッティング。オフにやってきたことが出て、良かったです」と笑顔が弾けた。
悔しさを胸に前進 打撃フォーム改良も奏功
指揮官は昨季のシーズン最終戦で、有薗の豊かな将来性を見込んで4番に抜てき。5打数無安打4三振と散々な結果に倒れたが、味わった悔しさはオフの原動力に変換された。
バットを寝かせて構えるなど、打撃フォームの改良にも着手。テークバックの無駄を省くことで「コンパクトにボールへアプローチできる」と確実性が増した。
ひたすらバットを振った秋季キャンプ
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華々しさとは無縁の場所でも、人知れず腕を磨いてきた。昨年11月。エスコンフィールド北海道で初開催された1軍秋季キャンプは連日、大盛況だった。一方、2軍の沖縄・国頭キャンプに参加した野手は、たったの4人。そのうちの1人だった有薗は「(人数が)少ないので、いっぱい練習できます。しっかり数と質にこだわってやっています」と黙々とバットを振り込んだ。
鈴木誠也に岡本和真 一流打者の動画も熱心にチェック
自室に戻れば、動画で一流打者たちの打撃を熱心に研究した。「鈴木誠也選手や岡本和真選手は、左肩にアゴを乗せて投手を見ている。しっかり両目で見た方がストライクゾーンの見極めもできる。参考にしています」と共通点を見いだし、動きを取り入れた。
「今も結構、意識しています。体が突っ込みにくくなったので、前よりボールが長く見えるようになったのかな」。一冬かけて体に染み込ませた動作は、きっちり結果につながった。
今季をブレークの年に 静かなる闘志を燃やす20歳
気は優しくて力持ち。口数少なく、ニコニコ笑う有薗には、そんな言葉がぴったり似合う。
「(昨季の)最終戦に4番で使ってもらって、そこで打てなかったのがオフシーズンの取り組みにつながりました。あした(4日)も紅白戦があるので、またイチからアピールしていきたいです」。物静かな好青年は、胸に熱い闘志を秘めている。