《平川弘のCool Eye》きれいなサッカーをする日本は、札幌と似ていて勝負強さがまだまだ足りない
沖縄キャンプも終盤に差し掛かり選手たちの必死のアピールが続いている。途中、けが人などで離脱者は出たが、一次キャンプの目的であるフィジカル強化、新戦力の見極めなどは順調に進んでいるようだ。
練習試合の結果はあまりおもわしくない
沖縄キャンプでは沖縄県1部リーグのFCセリオーレ、川崎、町田、長崎、名古屋と練習試合を行った。その結果はあまりおもわしいものではない。今季、主力の顔ぶれが大きく変わった札幌にとってチームの形を整えることは簡単ではない。まあ、予想通りといえばそうなのだが、沖縄1部のチームに大勝してもあまり嬉しくはない。フィジカルも追い込んでいて疲労も蓄積されてコンディション的には相当しんどいだろう。しかし、それは相手チームも同じなので言い訳にはならない。
チームで戦術の共通理解がされ自信を失わないことが大切
普通のチームはこの時期、チームの土台となる守備組織の構築を固めるのが一般的だ。だが、札幌はアイデンティティー的に守備より攻撃の部分を優先するので、キャンプで手堅いゲームをして勝つことが少ないのだろう。これが札幌がキャンプで勝てない私的な考察だ。ただ、練習試合の勝敗については割り切ることが大事なのも事実。チームで戦術の共通理解がされ自信を失わないことが大切である。
イランに逆転負けを喫した日本
アジア杯ではイランに1-2と逆転負けを喫しベスト8止まりとなった日本。勝って伊東のいざこざ問題を封印したいところだったが思うようにいかなかった。同点に追いつかれても慌てずにゲームを進め、延長で仕留めればというプランだったと思う。
この日の板倉の出来であれば町田と交代させた方が良かった
2点とも板倉が失点に絡んでいて、そこが修正出来なかったのが響いた。このゲームを通してイランのDFライン裏へのロングボールに対し、板倉が競り負ける場面が多く見られた。板倉が足を気にする素ぶりもあり、彼のこの日の出来であれば町田と交代させた方が良かった。W杯で勝つこととアジアを勝ち抜くことは全然違うミッションである。日本を倒そうと死に物狂いで向かって来る相手は厄介だ。きれいなサッカーをする日本は札幌と似ていて勝負強さがまだまだ足りない。