結果に飢える札幌DF馬場晴也が実戦初アシスト「いつ開幕しても100パーセントでいける」
【コンサドーレ沖縄キャンプ】
■2月10日、ZANPAプレミアム残波岬ボールパーク
▽練習試合(45分×3) 北海道コンサドーレ札幌1-1サガン鳥栖(0-0、1-0、0-1)
【札幌得点者】大森
対外試合6戦全て先発出場
北海道コンサドーレ札幌は、沖縄キャンプ最終日にサガン鳥栖と練習試合を行い、1―1で引き分けた。主力組が出場した1、2本目は1-0で〝勝利〟。FW大森真吾(23)が2本目にキャンプ通算7得点目を決めた。対外試合6戦全てで先発したDF馬場晴也(22)は右足クロスでその得点をアシストし、その攻撃力を猛アピール。自身初の開幕スタメン入り、そして7月のパリ五輪日本代表入りを両立させ、飛躍のシーズンとする。
ミシャスタイルに慣れた2年目はひと味違う存在感
移籍2年目。背番号を88に変更したこともあるが、昨季とは存在感が違う。沖縄での練習試合ではボランチや右CBと複数ポジションに入りながら全て先発。「去年はこのスタイルに慣れるのに、考えることが多かったけど、今年はそれがない。ミシャさんが求めることだけを考えながらプレーできていたんで、本当に良いキャンプが送れた。もちろんスタメンで、なおかつ結果を出したいですね。アシストや得点、守備もそうですけど、勝利に貢献しつつ結果が出せればいい。いつ開幕しても100パーセントでいける状態」と胸を張った。
ドリブラーの仕掛けで相手が引いたらチャンス
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今季はこれまで以上に攻撃にこだわる。0-0で迎えた2本目の31分。馬場は中盤やや右サイドから、ペナルティエリア内へ走り込んでくる大森へ絶妙なクロスを送った。「特に右だと、ああいうシチュエーションは、(近藤)友喜が仕掛けたりしたら、相手が下がるんで、そこからのクロスは、去年よりは特にチャンスが多くなるんじゃないかな。結果に繋がるようなアシストやミドルシュートを、もっともっと増やしていければ」と、積極的に得点に絡んでいく。
屈辱の完封負けを糧に
忘れられない試合がある。昨年8月6日のアウェー鹿島戦だ。第2節ホーム開幕戦以来、実に20試合ぶりの先発出場だった。しかし開始11秒で先制されるなど屈辱の完封負け。ボランチで出場した馬場は「久しぶりにスタメンで使ってもらって、0-3だった。まだまだだったなっていうのを実感した」。悔しさを糧に黙々と練習に励み、そこからのシーズン後半戦は6試合で先発フル出場を果たすなど貴重な経験を積んだ。
昨季は世代別代表でアジア大会銀メダル経験
札幌での経験をパリ五輪に生かす。昨年10月にはU-22日本代表の主将として、アジア大会に招集された。4バックの右CBとして決勝までの6試合に先発出場し、銀メダルを獲得。その経験からサッカーに対する心構えに変化が起きた。「まとめるまではいかないけど、自分主導でチームを動かしていける存在になれれば。少しずつ頭の中に入れてトライをしてます」。札幌ではまだ若手のグループだが、これまで以上に練習から高い意識で取り組むようになった。
「去年とは少し立ち位置が変わってくる」
今年3月にはパリ組の国際親善試合が組まれ、4月には五輪予選を兼ねたAFC U-23アジアカップが開幕する。「自分が置かれてる立場は、結構厳しい状況にはある」と狭き門だが、そこで札幌での経験が生きてくる。ミシャサッカーでは複数ポジションをこなすのが当たり前。馬場も右CBとボランチが可能だ。五輪は本選になるとベンチ入りの人数は18人。オーバーエージの選手がベンチに入れば、残りは15人しか入れない。何らかのアクシデントが起きた場合を想定すると複数ポジションをできる選手は優遇される。「そこは必ず考えるところだと思う。それがコンサでは、特に自分の中では、良い経験をさせてもらって、繋がっていく。時間は少ないけど、去年とは少し立ち位置が変わってくるんじゃないかなと思ってトライしたい」と、最後まで五輪出場のチャンスを追い求める。
開幕スタメン奪取へ自信を持って取り組む
札幌での活躍は必要不可欠だ。開幕前に残された実戦は、熊本キャンプでの1試合のみ。右CBでは新加入のDF髙尾瑠(27)がケガから復帰。さらにDF西野奨太(19)らとの競争も熱を帯びてくる。「リードしてる気持ちはないけど、自分の中ではまだまだできる。少しずつ出せてはいると思うので、自信を持って取り組んでいければ、スタメンが自ずとついてくる」。14日から再び始まるサバイバルに目が離せない。