サブマリン右腕の鈴木健矢 左封じの秘密兵器は新球種「カーブの逆みたいなイメージです」
■練習試合 日本ハム13ー1サムスン(2月12日、ONNA赤間ボール・パーク)
チェンジアップを披露 先発で2回1安打無失点
日本ハムの鈴木健矢投手(26)が12日、沖縄・恩納村で行われたサムスン(韓国)との練習試合に先発し、2回1安打無失点と好投した。この試合では昨秋から取り組む新球のチェンジアップも試投。緩急自在の投球に磨きをかけて、苦手とする左打者を封じ込めるつもりだ。
〝再出発3年目〟のシーズンへ 今季初の対外試合で十分な手応え
アンダースローに転向して迎える3度目のシーズン。過去にない手応えと新たな武器を引っ提げて、投手陣の柱となる。
登板を終えた背番号47は「自分がやりたいことや試している部分、練習してきたことを実戦でできた。右打者の内角に投げきって詰まらせていたので、そこは良かったかな」と、さわやかに汗を拭った。
今季の課題は対左バッター 昨季の被打率・299
キャリア最多の6勝を挙げた昨季は、右打者に対して被打率・144と抑え込んだ一方で、対左打者は・299と打ち込まれた。〝サブマリン〟にとって天敵となる左打者を抑えるため、昨秋のキャンプからチェンジアップの習得に励んできた。
下手投げから放たれる独特の軌道 球速差も武器
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投球の幅を広げる新球種は、独特の軌道を描く。リリース直後に浮き上がったボールは、打者の手前で減速しながら、逃げるように沈んでいく。直球との球速差は15キロほど。その球筋を「カーブの逆みたいなイメージです。対左は、あまり緩急が使えていなかった。(打者目線で)入ってくるカーブもあるけど、逃げる緩急の方が効くと思う」と説明する。
開幕までにコントロールを修正
これまでは直球と同じ球速帯のシンカーを駆使していたが、チェンジアップをものにできれば、左封じの選択肢はより広がる。目下の課題はコントロール。この日のサムスン戦では2度投げながら、どちらもボール球となった。
「しっかりゾーンに投げ切れてないので、まだまだですね。ブルペンではストライクが取れるので、実戦でどんどん投げて感覚をつかむことが大事。完成度は50%ぐらいです」。開幕まで残るは約1カ月半。実践と修正を繰り返し、納得の一球を追い求める。
頼れるユーティリティー投手 「求められたところで戦力に」
先発では中4、5日での登板をこなし、中継ぎに回ればイニングまたぎも苦にしない。どんな役割も器用にこなせる鈴木は、何でもござれの精神で首脳陣の決断を待つ。
「まだ先発かリリーフか分からない。しっかり1軍に残り続けて、求められたところでチームの戦力になることが一番かな」。変幻自在のピッチングで、自らの居場所をつかむ。