沖縄での１次キャンプを終え、１４日から熊本での２次キャンプが始まる札幌。長期キャンプでそのままシーズンインと精神的にもきついだろうが、それは札幌の宿命。２０２６年から秋春へのシーズン移行が決まったので、それまでの辛抱だ。

ケガ人多くチーム作り遅れた沖縄キャンプ

　キャンプは長いが、長期間寝食を共にしてコミュニケーションを図れるのは札幌の強みでもある。特に今季は主力の顔ぶれが変り、入れ替わりが多かったので、キャンプでチームとしての共通理解を深められるのは大きい。沖縄キャンプではケガ人が多く出て、トレーニングマッチの結果も良くなくチーム作りが遅れていた。しかし、最後の鳥栖戦では主力組で戦った９０分で１－０と、やっとＪ１相手に結果を出し、ペトロヴィッチ監督は胸をなでおろした。ただ、相手の鳥栖もかなり調整が遅れており、手放しで喜べない面があるのも事実。

大森は公式戦で結果残すまで気を抜くな

　沖縄では大森がゴールを量産しワントップのポジション争いでインパクトを残した。現時点では開幕スタメンの最有力候補だと思うが、ケガ人が戻ってくる熊本ではどうなるか分からない。熊本では開幕、実戦を想定した戦術トレーニングの詰めが行われる。大森はまだ気を抜いてはいけない。公式戦で結果を残すまでは。

荒野は言いづらいこともズケズケ言えるタイプ

　今季のキャプテンに荒野が就任した。長く宮澤がキャプテンを務めてきたが、世代交代を含めチームを活性化させたいということだろう。宮澤は背中で語るタイプのキャプテンだったが、荒野はキャラも明るいし言いづらいこともずけずけ言えてチームを引っ張ることが出来ると思う。キャプテンというのはチームの精神的支柱でなければならない。当然ゲームに常時出場してプレーで鼓舞することが望まれる。

責任感は子供だった荒野を大人に変える

　これまでの荒野はユーティリティープレーヤーということもあり、札幌に必要な選手ではあったが鉄板のレギュラーという訳ではなかったと思う。結構イエローやレッドカードでいなくなることも多くチームに迷惑をかけてきた。キャプテンを引き受けることで生まれる責任感は子供だった荒野を大人に変えるだろう。荒野の主戦場はボランチだろうが、私の好きなのは彼のゼロトップである。前線からの守備と捉えどころのない動きで引っ掻き回すところ。ユーティリティーでも今季は「鉄板」になってもらいたい。