コンサドーレ
《平川弘のCool Eye》 シンプルにゴールを目指せ
今シーズンも残り3試合となった。前節の湘南戦でJ1残留を決めた札幌だが、順位はいまだ12位で半分より下。札幌のサッカーの質を考えると、とても納得できる順位ではない。勝ち点4差の9位は難しいかもしれないが、1差で追う10位でのフィニッシュは必須だ。
昨季終盤もそうだったが、平岡コーチが清水の監督となり、J1残留の重責を任された。彼とは1996年の札幌1年目に一緒にプレーした仲である。清水出身の平岡コーチが、古巣の札幌と大事なゲームを戦うなんて何かの縁である。
熱血漢で闘うことを好む平岡は、球際での激しさや、攻撃でもシンプルにプレーすることを求めた。元々テクニカルな選手が多い清水だが、短期間でチームを変えるには「頭でっかち」を直す必要があるのだろう。
それは札幌にも言えること。ポゼッションも大事だが、シンプルにゴールを目指すのはサッカーでは大事なこと。FW小柏が何度も裏へのランニングをして、そこにボールが出てきたのはチームの共通理解があったからだろう。またも小柏は結果を出せなかったが、MF金子は裏を取って見事に得点を挙げて見せた。
DF福森のピンポイントなフィードも素晴らしかった。最終ラインからのフィードだとそうそう通らないが、中盤に押し上げてからのDFライン裏へのパスは時間的猶予がないので相手も対応しにくい。
前々節の湘南戦もそうだったが、後半に足が止まり、失点した。プレスの強度は高まっていて良いのだが、バランス、ペース配分がまだまだだ。(本紙評論家)