【ジャンプ男子W杯札幌大会】レジェンド葛西紀明が5シーズンぶりポイント獲得 ギネス申請へ
■スキージャンプ男子W杯個人第19戦(2月17日、札幌・大倉山ジャンプ競技場)
30位で1793日ぶりW杯ポイントゲット
4季ぶりに本戦に出場したレジェンド・葛西紀明(51、土屋ホーム)が、1本目に117メートルを飛び28位で2本目に進み、30位フィニッシュ。2019年3月22日のスロベニア・プラニツァ大会以来1793日ぶりのW杯ポイントを獲得し、自身の持つ5つのギネス記録の1つ、W杯最多出場記録を570回に更新した。
「5シーズンぶり? 長かったっすね」
5シーズンぶりに2本目に進んだ葛西の飛躍は、軽い追い風の中104メートルで30人中最下位。それでも貴重なW杯ポイント『1』を獲得した。「5シーズンぶり? 長かったっすね。もうそんな経ちます? でもうれしいです。明日は多分午前中、向かい風の戦いになると思うんで、チャンスはあるんじゃないかな。明日の2本に集中していきたい」と、向かい風大歓迎のレジェンドがさらに集中力を研ぎ澄ませる。
1本目28位でぎりぎり
16日の予選を45位で通過。1793日ぶりの2本目進出もぎりぎりの戦いだった。試技では126メートルとK点(123メートル)越えで好気配を伺わせたが、4番手でスタートした1本目は0.89メートルの軽い向かい風も117メートルとK点手前に着地。最多出場記録は更新したが、「失敗した~、タイミングが遅れましたね。力が入っていた。昨日は変なプレッシャーがあったので、昨日より楽しく飛べた」。1本目を終えた段階でトップ。残りは46人で17人が葛西よりポイントが下回らないと予選突破が厳しい状況だった。
進出決定で「『よっしゃ』ってガッツポーズ入れた」
願いが叶い、途中から風向きがジャンプに不利な追い風に変わった。後続の選手が次々とK点手前に落ち、ゼッケン40番が葛西を下回った瞬間、2本目進出が決定した。その頃、葛西は控室で「ラッキーという感じですね。ハラハラドキドキしながら、携帯見ながら1人で自転車をこいで『残れるはずだ』と思ってずっとやっていた。残った時に『よっしゃ』ってガッツポーズ入れました」と、ぎりぎりで踏みとどまった。