【ジャンプ男子W杯札幌大会】レジェンド葛西紀明のW杯海外メンバー入りが浮上
■スキージャンプ男子W杯個人第20戦(2月18日、札幌・大倉山ジャンプ競技場)
さらにギネス記録更新
レジェンド・葛西紀明(51、土屋ホーム)が再びギネスを塗り替えた。予選を49位で突破し、5つのギネス記録の内、W杯最多出場記録を571回に更新。さらにこれから申請する予定のW杯最年長出場記録も1日更新した。また、2日連続で進んだ本戦では、1本目43位で2本目に進むことは出来なかったが、2日間の結果を受けて2月29日のフィンランド・ラハティ大会以降のW杯遠征メンバー入りの可能性が浮上した。
4季ぶり海外W杯へ意欲
葛西の世界との戦いは、まだ続きが残っていた。2日間を終え、W杯ランキングで日本勢5位の竹内択(36)に1ポイント差の同6位。遠征メンバーの上位5人に食い込むことはできなかったが、18日の試合を同4位の中村直幹(27、フライングラボラトリー)が腰痛で欠場。19日の精密検査次第では遠征欠場の可能性もある。「中村の代わりに(W杯に)出るのかな?とか、あるのかどうなのか。行きたいっすね」と、4季ぶりの海外W杯へ意欲を見せた。
作山HCも高評価「改めてすごさは感じました」
大会後、取材に応じた作山憲斗HC(33)は「地元開催で久しぶりのワールドカップってことで、ちょっと硬さはあったかな。その中で51歳のジャンプではない。やはりすごいなって。コーチボックスでも各国のコーチ陣がすごいびっくりしてるんで、改めてすごさは感じました」と高く評価した。
直接W杯メンバーか、COC杯経て入れ替えか
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中村がメンバー入りした場合でも、2戦とも同5位の竹内択(36)より上位に食い込みアピールに成功。たとえ外れた場合でも3月2日からのW杯下部のCOC杯遠征メンバーの条件をクリアしている。作山HCは「コンチネンタルカップ(COC杯)も行くので、そこでうまく入れ替えもできるような形で、ちょっとメンバーを検討したい」と、COC杯で結果を出してW杯昇格も可能。早ければ19日にSAJ全日本スキー・スノーボード連盟から遠征メンバーが発表される。
欧州関係者がひっぱりだこの人気
欧州に渡れば、注目は必至だ。2日続けてW杯最年長出場記録を更新した葛西は、この日も欧州のジャンプ関係者からひっぱりだこ。1本目を終えるとポーランドメディアがインタビュー。表彰式後に強豪国・オーストリアチームから記念写真をお願いされるなど、人気の高さを改めて証明した。
ふがいなさに怒り「まだまだやりますよ、ちきしょう」
今後は、2月22日に山形・蔵王で行われる国スポ(旧国体)に出場を予定。4季ぶりに世界最高峰の舞台で戦い抜き「かなり自信につながりましたね。世界トップのジャンパーのアプローチポジションも見れたので、すごくいい勉強になりました」と手応えを残した一方、自らのふがいなさに怒りがこみ上げてきたと言う。「この怒りがあるからこそ、また次頑張りたいって気持ちにもなれる。これがなくなってちゃあ、もう終わりですね。まだまだやりますよ、ちきしょう」。衰え知らずの51歳が、再び欧州の空へビッグジャンプを描き出す。