【特別調査編】サブマリン・鈴木健矢の柔軟性に迫る チーム屈指〝軟体ボディー〟はいかにして生まれたのか【道スポなんでも探偵団】
アンダースローを可能にする体の柔らかさ
読者の皆さまから質問を募集し、記者が調査、取材し、回答をお届けする「道スポなんでも探偵団」。【ファイターズキャンプ編】第6回は、「鈴木健矢投手の体がどのくらい柔らかいか調査をお願いします」をピックアップします。体の柔軟性が求められるというアンダースロー。新庄剛志監督(52)のひらめきで横手から下手投げに転向した右腕のしなやかさの秘密に迫ります。
ドジャース大谷を彷彿とさせるパフォーマンス
本人に聞いてみると「体、柔らかいですよ。これできます」とニンマリ。その場で見せてくれたのが、米大リーグ、ドジャース・大谷翔平投手ばりのパフォーマンス。肩甲骨の可動域の広さだ。腰に手の甲を当て、肘をぐっと前に出した。前屈をしてもらうと、背負っていたリュックから荷物が飛び出しそうになるほど、地面にべったりと手がついた。
小学生時代は体操クラブに所属 マット運動も得意
体の柔らかさは、生まれつきなのだろうか―。「もともと柔らかい方だったみたいです。小さい頃からずっとブリッチや倒立をやっていたみたいです。全然、覚えていないですけど」と回顧。「小学校の時は、学校で体操クラブに入っていました。跳び箱の上でハンドスプリングとかやっていたっす。マット運動も得意ですね」と振り返った。
厳しくとも温かい父・克章さんの教え
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野球経験者でもある父・克章さんのアドバイスもあった。「小さい頃から半強制的にストレッチをさせられました。野球を始めてから父に『体が柔らかくないとダメだぞ』と言われて、ストレッチしないとご飯を食べさせてもらえませんでした(笑)」。幼少期は父と一緒にストレッチをし、「オーソドックスなストレッチをしていました。高校の時までずっと言われましたね。家では日課でした」。自然と習慣になっていた。
習慣となっている登板前の倒立
父と育んだ柔軟性は、下手投げ右腕の大きな武器となっている。登板前には倒立をするのがルーティン。「今もストレッチは大事にしています。(アンダースローは)下半身も上半身も柔らかくならないと投げられない。そもそも、腕が下がってこないので」と説明する。
可動域チェックで全項目クリア
数字としても表れている。「球団でフィジカルチェックがあって、可動域のチェックをするんですけど、全項目クリアしました。去年くらいまで、全項目クリアは僕だけだと言われました」と、うれしそうに明かす。
上には上! 〝師匠〟からまさかの指摘「硬いね」
チームトップの〝軟体ボディー〟を持つ右腕だが、〝ミスターサブマリン〟はもっとすごかった。オフには2年連続で元ロッテの渡辺俊介氏(現日本製鉄かずさマジック監督)に弟子入りした。
「でも、俊介さんには『硬いね』って言われたんですよ。やばいですよ。本当に骨ないのかなって感じです。(脚が)180度開くんですよ。自主トレの時に開脚を見せてくれたんですけど、それでも硬くなったって。人に初めて『硬いね』って言われました。『柔らかいね』、『柔らかいね』と言われてきたのに」と、びっくり仰天。直々にエクササイズやトレーニングメニューを教えてもらったという。さらに柔軟性を高め〝師匠〟を驚かせる日も近い!?