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2021/11/11 10:12

【アーカイブ・2020年連載企画】逆境を乗り越えよう⑭  元「ZONE」MAI 「意味のないことは絶対起きない」 

 特別企画「逆境を乗り越えよう」の14回目は、2013年に解散したガールズバンド「ZONE」の元メンバー・MAI(34)2度の解散、芸能界引退を経て、16年からヨガインストラクターの活動を始め、18年3月には再び、芸能界に復帰した。激動の青洲時代を送った彼女に、逆境を乗り越えるヒントを尋ねた。

(本連載企画は2020年7月に掲載されたものです)


14歳でメジャーデビュー

 1998年3月、MAIが所属していた芸能事務所「スタジオ・ランタイム」の生徒たちでZONEを結成した。当初はダンスレッスンを学ぶため、入所したが、ダンスグループからガールズバンドにスタイルを変更して、2001年2月7日、メジャーデビューを果たした。

 「(方針変更に)すごく動揺しました。最初の2曲はベースを弾かずに当て振り(笑)。3曲目は必ず弾かなければいけなかったので、スタジオに缶詰めになって夜まで練習しました」

ビッグヒットで睡眠時間2時間

 約半年間の練習を重ね、同年8月に「secret base~君がくれたもの~」を発表。70万枚を超える売り上げを記録し、同年12月から3年連続で紅白歌合戦に出場。この曲のヒットで芸能活動は多忙を極めた。

 「当時は高校生で、札幌と東京を行き来していました。飛行機の中ではテスト勉強して、睡眠時間は約2時間。帰りの空港で荷物を待っているときに、立ちながら寝ていることもありました」

突然の解散から再結成へ

 その時は突然やってきた。05年4月1日、MIZUHO脱退により、グループは解散。同年にMAIはバンドMARIAを結成して音楽を続けた。そして、11年、東日本大震災の復興支援を目的にZONEを再結成させた。

 「震災が起きた時、自分たちで力を合わせて何か、世の中の力になりたいと思いました。偶然、(secret baseの歌詞にある)10年後の8月に再結成したんです」

「生きている意味があるのかな…」

 だが、その後もメンバーは次々と脱退し、ついにMAIは一人だけになった。13年4月に一人きりで解散ライブを行った。翌年には燃え尽きるように芸能界を引退した。

 「目標がなくなり、音楽じゃないのかなって。人生=音楽になっていて、私は生きている意味があるのかなと。人生で一番、精神的にきつかった」

「ZONEは私の青春そのもの」

 引退後、ヨガスタジオの受け付けの仕事を始めた。16年にヨガの指導方法や哲学、歴史を勉強し、RYT200(ヨガインストラクターの国際資格)を取得。第2の人生を歩み出した。

 「ヨガとの出合いで人生、価値観は大きく変わりました。『今の自分を愛してあげなさい』とヨガに教えてもらいました。私は自分に厳しかったけど、自分に優しくすることも大切なんだと気づかされました。ZONE時代は苦しかった時もあったけど、私にとって青春そのものでした」

ヨガと出合い、新たな道へ

 18年、ヨガを広めるためにタレントとして芸能界に復帰。波乱万丈の人生を生きてきた中で、逆境を乗り越えるヒントがあった。

 「意味のないことは絶対に起きないと思います。悪いことがずっと続くわけではない。自分にとって絶対に乗り越えられないと思っても、『自分が乗り越えられることしか起きることはない』と、自分を強く信じることが大切なんです」

 紆余曲折はあったが、今ではZONEで過ごした日々が最高の思い出となっている。

 

 ■MAI (まい) 1986年7月24日、大阪市生まれ。小学2年時に札幌市内の小学校に転校。98年にZONEを結成し、MAIKOとして活動。99年12月にファーストシングル「believe in love」でインディーズデビュー。シングル16枚、アルバム4枚、ベストアルバム2枚をリリース。2度の解散を経験し、14年に芸能界引退。16年からヨガインストラクターの活動を始め、同年に一般男性と結婚。18年3月に芸能界に復帰し、20年6月に第1子妊娠を発表。


 ■コロナ禍で仕事がゼロに (20年)6月28日に第1子を妊娠していることを自身のSNSで発表したMAIだったが、プライベートの充実とは裏腹に、新型コロナの感染拡大による緊急事態宣言期間中にはヨガインストラクターの仕事がなくなった。「3カ月間、何もなくなって…」と大きな試練が訪れた。
 フリーランスとして札幌市内を中心に活動していたが、3密を避けにくいヨガ教室の開催は難しかった。緊急事態宣言解除後も「2週間に1度、レッスンを入れられるかどうか。生徒さんも怖いと思うし、様子を見ながらですね」と手探りの状態は続く。
 それでも今夏には、札幌・円山公園内で青空ヨガ教室などの活動を徐々に増やす。今後のレッスン情報はツイッター(@Mai_yoga_724)、インスタグラム(mai_yoga_724)で発信している。

(2020年7月28日掲載)
 

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