主将を受け継いだ荒野には意地とプライドを前面に出して開幕戦に向かってほしい《河合CRC竜の眼》
開幕戦は特別なもの
いよいよ明日24日、北海道コンサドーレ札幌は福岡との今季のJ1リーグ開幕戦を迎える。開幕スタメンにどのようなメンバーが選ばれ、どのようなサッカーが展開されるのか。読者の皆さんも今頃ドキドキワクワクしているのではないだろうか。
選ばれた選手は誇りを胸に戦って
私が現役選手だった頃は開幕戦はやはり特別なものだと考えていたし、開幕スタメンに選ばれたいという思いを持って日々の練習に励んでいたことを思い出す。明日の試合に出場する選手たちには、開幕メンバーに選ばれたという誇りを持って、堂々とピッチに立って戦ってほしい。
2月17日の練習試合を視察
チームの仕上がり具合を確認するため、17日に行われたJクラブ、鎮西学院大との練習試合を熊本で観戦してきた。事情により対戦したJクラブに関する情報を公開できないため、詳しい内容をあまりお伝えできないことをご了承いただきたい。
開始10分で4得点 厚みのある攻撃できた
Jクラブとの練習試合で札幌は5得点をマークしたが、このことはチームにとって非常にプラス材料と言えるだろう。特に開始10分までに4得点を奪っており、この時間帯は相手に何もやらせていなかった。2人、3人と絡んだ厚みのあるミシャサッカーを展開できていたし、自分たちの形にもっていけたときの攻撃は本当に魅力的だなと感じさせられた。
いい流れのときはゲームを支配 MF小林のキック精度も高かった
相手のミスで得点を奪ったシーンもあったが、そのミスを誘発させたプレッシャーの掛け方も見事だった。いい流れのときには攻撃に厚みがあったり、セカンドボールを拾えたり、トランジションの部分が速かったりと、本当に良い面が出せていた。セットプレー絡みでも2得点をマークしたが、キッカーを務めたMF小林のボールの質が非常に良く、シーズンに向けて期待を抱かせる精度の高さを披露してくれた。
課題の残ったビルドアップを向上させるには
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一方で守備ではビルドアップのミスからボールを奪われてしまい、ピンチを招くシーンもあった。自分たちで防げるミスなので、改めて一人一人が自分のパスをもらうアングルを意識したり、パスの出し手側もしっかり気を遣ってタイミングや、つける足という点を考慮してほしいと感じた。
MF近藤のスピードは相手の脅威になる
選手個々の評価で言うと、まず挙げたいのがMF近藤友喜だ。武器であるスピードを発揮できていたし、独特なステップは特長的で、彼の存在は相手の脅威になるのではないかと期待している。起用が予想される右ウイングバックは、昨季までの主力だったMF金子やMFルーカスが移籍してしまったが、その穴を埋めて余りある存在になってほしい。
推進力が増せばMF田中克も怖い存在に
MF田中克幸も存在感を示していたが、あともう少しボールを持ち運ぶことができるようになれば、より相手にとって怖い存在になってくるだろうと、ミシャさんとも話していた。
MF荒野から就任の報告
そして最後に触れたいのが、今季から新たにキャプテンに就任したMF荒野拓馬についてだ。拓馬から「ようやくキャプテンになることができました。これから頑張っていこうと思っています」という就任の報告を受けた際には、「ようやくなったか」という思いと「改めてみんなにしっかりと認められたんだな」という思いから、率直にうれしく感じた。
クラブ28年の歴史の中で初めてとなるアカデミー出身者のキャプテン就任ということで、アカデミー生にとっても本当に夢がある、希望になる話だと思う。
チーム状態が悪いときに何ができるか
前任者であるMF宮澤ともよく話していたが、キャプテンというのはチームの調子が悪いときに何ができるかだと思っている。試合でチームを勝たせられる存在、チームの方向性を一つに向けられるような存在でなければならない。拓馬にはそういうキャプテン像を目指し、普段の行動や言動というところから注意してもらえたらと思っている。
開幕戦は主将同士が札幌U-18の同期対決
開幕戦で対戦する福岡のキャプテンは、拓馬と札幌U-18で同期だったDF奈良。昨年からキャプテンを務めており、先にルヴァン杯の優勝トロフィーを掲げられてしまったということもあって、拓馬にも思うところはあると思う。札幌の意地とプライドを前面に出し、開幕戦では必ず勝利してほしい。