ファイターズ
《ハム番24時》2月20日
2軍のサムスン戦に合わせ、国頭メンバーの多くが名護に集まっていた。何げなく、グラウンドに視線を向けると、浅間の姿が目にとまった。育成の藤田、ルーキーの星野と一緒に外野でノックを受けていた。フェンス際の飛球を追う後輩に「おーい、気をつけろよ!」と呼びかけ、苦笑いを浮かべた。その表情の意味は、すぐに分かった。
昨年2月26日。名護で行われた阪神とのオープン戦。浅間は中堅後方の飛球を追い、フェンスに激突した。左足関節骨折と診断された後に手術を受け、長期離脱を余儀なくされた。夏場に1軍昇格を果たしたが、けがの影響は大きく、1カ月ほどで2軍降格。1年を棒に振る形となった。
3安打4打点の活躍を見せたサムスン戦の後、浅間に尋ねた。けがと戦った1年は長かったか―。苦しい思い出ばかりのはずだが「記憶にないぐらいです。記憶にないぐらい、何もなかった。もちろん、リハビリ中はしんどかったです。1年ぐらいたっていますけど、たってみたら一瞬というか。ということは、一瞬で1年が終わるので、そんなにのんびりしている暇はないな、という感じです」と素直な感情を伝えてくれた。
不慮のアクシデントを乗り越え、再認識した1年の重み。「大外から開幕スタメンを取れるようにやっていきたい」という決意表明が、何より頼もしかった。