高卒4年目の細川凌平 サムスン戦で2安打5出塁 夜間練習後のルーティンは読書と日誌
■練習試合 サムスン1ー13日本ハム2軍(2月20日、タピックスタジアム名護)
スタメン起用に応えた! 2安打3四球1盗塁
日本ハムの細川凌平内野手(21)が今季対外試合で初スタメンを飾ると、5出塁と暴れまくった。「2番・遊撃」を任され、一回に右前打、二回に四球&盗塁、三回に右前適時打、五、七回にも四球を選び、3打数2安打3四球1盗塁。活躍の裏には、シーズンを想定した〝状況設定〟と、2日前の夜に行ったフォームの修正があった。
激しいポジション争い 自身の立場を重々承知
二遊間の競争は激しく、キャンプ中の実戦は途中出場が主だった。2軍戦とはいえ、ようやく巡ってきた先発でのアピールチャンス。レギュラー奪取を狙う21歳は、開幕後の自身の立場を頭に入れながら試合に挑んでいた。
「ここまでずっとスタメンで出る機会がなかった。シーズン中もそういう状況が僕の場合は結構、多いなと思っている。それを意識してきょうは入りました。ずっとスタメンではなかったけど、1週間に1回、ポッと出されたスタメンの機会で、どう結果を出せるか。そういう状況設定をして入りました」
積極姿勢が奏功 「どんどん振ってアジャストする確率を上げていく」
多く打席に立てる貴重な機会を、どう生かすか。カウントを目いっぱい使ってボールを見ていくか、早いカウントからでも振りにいき、感覚を取り戻すかで考えを巡らせ、後者を選択した。
「ボールを見ていくべきなのか、どんどん振ってアジャストする確率を上げていくのかは、すごい違う。きょうは振っていく中で、どうアジャストできるかを僕の中では意識して、できるだけストライクゾーンの、自分が仕留めたいと思っている球に関しては振っていくようにしました」。この日は積極的な姿勢が、好結果につながった。
18日の楽天戦で二ゴロ 打撃フォームを微修正
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前々日の楽天戦は、途中出場で1打席に立ち、二ゴロに終わっていた。「自分の中でしっくり来ていなかった」と、その夜、打撃フォームの微修正を決断。「夜に自分なりに修正して、これがいいんじゃないかなと思うものに変更した。 前まではトップの位置がちょっと浅くなっていて、打ちにいく時に手の動きが強くなっていた。八木さん(打撃コーチ)からも自分が考えたことと同じアドバイスがあって、トップの位置を無駄な動きなく振り出せるように修正しました」
バギーとの〝対戦〟で好感触 「打席での余裕につながった」
翌日、バーヘイゲンと〝対戦〟した実戦形式での練習で好感触をつかみ、この日も継続した。「バギー(バーヘイゲン)の時に良くて、きょうになっても良かったので、それが打席の中での余裕につながった」と手応えを口にした。
万事徹底の日々 すべてはレギュラー奪取のため
春季キャンプ中、細川の1日は超過密スケジュールだ。朝は6時半に起床し、7時半には球場に向かいトレーニングを開始する。全体練習終了後には個人練習を行い、一度、宿舎に戻ってシャワーを浴び、食事を取ってから夜間練習で汗を流す。終了後はもう一度、シャワーを浴び、部屋で本を読み、誰にも見せない日誌を書く。
読書でも練習でも波をなくす テーマは「規律と一貫性」
「今は『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間』を読んでいます。日誌には、読んだ本の自分なりの解釈とか、いろいろなことを書いています。今年から、やり過ぎないことを意識していて、本はまだ3冊目。(午後)10時から10時半ぐらいには寝られるようにしています。練習に関しては自分の納得できるところまでやりたいんですけど、波をつくりたくない。今までは最低限これはやるということだけ決めていたんですけど、今年からは上限もつくるようにしました。本で例えたら、1日に最低でも10ページは読むけど、最高でも30、40ページまでしか読まないと決めているんです。前までは、いけると思ったらずっと読んでいた。それだと、きのう40ページ読んだけど、きょうは5ページしか読まないっていうのが嫌。波をつくりたくないので、幅を少なくしたいんです。練習も、自分でやろうと思ったら、どこまででもできてしまうタイプなので、それを自分の中でどうやって納得して終わるのか。ボーダーを決めて。できる日とできない日で波ができないように、私生活から波を少なくしています。自分では『規律と一貫性』をテーマにしているんですけど、規律をつくって、一貫性を持つことで、波のない、無駄のない生活が送れるんじゃないかなと考えながら、結構、意識しています」
4年目の大ブレークへ 妥協なき日々
野球を愛し、上達のために妥協のない日々を過ごしてきた。今季が高卒4年目。積み上げてきたものを、エスコンフィールドで証明してみせる。