■国頭・秋季キャンプ

直球磨いた１年間「間違いじゃなかった」

　未来のエース候補・吉田が、初めてビッグボスの前でブルペン入りした。沖縄・国頭キャンプ第２クール３日目。視察最終日となった新庄新監督が見守る中、クイックや変化球も交える本気モードで約４０球を投げ込んだ。終了後には「真っすぐいいねー」と褒められ、「今年１年かけて真っすぐを磨いてきた。やってきたものは間違いじゃなかった」と笑顔が弾けた。
　吉田が投球練習を始めたとき、見ていた報道陣は一人だけだった。ところが途中からビッグボスが登場すると雰囲気は一変。記者やカメラマンが一挙に押し寄せた。それでも３年前、夏の甲子園で日本中を沸かせた右腕は「見られないよりは見られた方が気合が入る。僕は悪い方には気にならない」と強心臓ぶりを発揮し、堂々とアピールに成功した。
　ビッグボスはブルペンからの去り際、「めっちゃ速くね？　俺、現役の時、打てないと思う」とこぼした。それを伝え聞いた吉田は「いや、それはないですけど、そう言ってもらうと自信になる」と胸を張った。
　監督就任が決まる前から、選手・新庄のファンだった。今キャンプでは同部屋の清宮と、ユーチューブで“新庄動画”を見てモチベーションを上げている。「自分を貫いていて、私生活をプレーで表現するのがうまい。新庄さんが来た時から不思議な力というか、『よしやるぞ』という感じになる」と存在の大きさを口にした。
　３年目の今季は１軍登板１試合のみで、０勝１敗に終わった。憧れの新指揮官の下で、来季はフル回転してみせる。（近藤裕介）